貧富の格差は開く一方
パナマ文書もピケティもスルーされた。世界では貧富の差が広がり、それに伴って受けられるサービスの質や量にも大きな差が生じています。裕福な層は高度な医療や教育、快適な生活環境を享受できる一方で、貧しい層は基本的な生活や教育、医療の機会すら得にくくなっています。この格差の拡大が社会の分断や不安定さを深め、全体として厳しい状況を生み出しています。社会全体の公平性や持続可能性を高める取り組みが求められる段階に来ていると言えるでしょう。
2024年03月01日 アメリカの貧困と格差の凄まじさがわかる30のデータ
アメリカの貧困と格差の激しさを示す30のデータは、多くの観点から拡大する格差と貧困の深刻な実態を示しています。以下に重要な点をまとめる。
アメリカの格差と貧困の概要
- 1970年代から格差は拡大し、上位1%が持つ資産は下位90%の全資産より多い。2010年には上位1%の資産は中央値の288倍となっている。
- 上位1%が全米資産の約34%を占め、上位10%で全所得の50%、全資産の70%を所有。
- 金融資産の格差は特に大きく、上位1%が40%以上を握り、上位20%で90%以上を保有。
- 下位50%が持つ資産はわずか2.5%である。
所得と生活の状況
- 1980年の上位1%の所得シェアは10%だったが、2008年には21%に増加。1920年代の水準に匹敵している。
- 上位1%の平均所得は1979年の約35万ドルから2007年には130万ドルに激増する一方、中間層の所得はほとんど伸びていない。
- アメリカの労働者の約半数が年収300万円以下で、低賃金の仕事に就く人が増加。現在41%が低賃金職に就いている。
- 1993年から2014年の間にGDPは37%増加したが、世帯所得の伸びは5%にとどまる。
貧困層の状況
- アメリカの子どもの5人に1人が貧困線以下の生活を送っている。子どもの貧困率は先進国で2番目に高い。
- 高齢者の6人に1人も貧困線以下で暮らしている。
- 2012年には6500万人(全人口の約5分の1)が低所得者向け食料補助(フードスタンプ)を受給。
- 約120万人の子どもがホームレス状態にあり、その半数は6歳以下という状況。
社会的影響と格差の広がり
- 豊かな地域と貧しい地域では平均寿命に大きな差があり、豊かな地域では男性の平均寿命が81歳、貧しい地域では63〜67歳と大きく異なる。
- アメリカの富裕層は世界の資産の大部分を保有し、ヘッジファンドや著名富豪の資産は国家の経済規模を超えることもある。
- 米国下院議員の58%が100万ドル以上の資産を持つが、これは全体の上位1%未満の人々だけに限られている。
このデータは、アメリカの経済的格差が非常に広範かつ進行中であることを示し、日本を含め他国社会の未来にも警鐘を鳴らしているといえます。
2018年06月04日 なぜアメリカの経済は回復しているのに出生率は上がらないのか?
アメリカの出生率が過去30年間で最低水準に落ち込んでいる問題を取り上げています。これまで出生率の低下は、女性が教育や職場に進出しやすくなり、避妊手段も普及したことで、出産年齢を遅らせる傾向によると説明されてきました。特に10代の出産率の低下は肯定的に受け止められています。
しかし現在の問題はそれだけでなく、二つの側面があると指摘しています。
- 一つは倫理的な側面で、女性が望む子どもの数(平均2.7人)と実際に持つことになる子どもの数(平均1.8人)の差が40年で最大になっている点です。これは「自然な社会変化」ではなく、女性が経済的要因や社会制度によって子どもを持つ自由を奪われている「政治的問題」であるとされています。
- もう一つは経済的な側面で、特にミレニアル世代が学生ローンや住宅価格、医療費の高騰などで生活に余裕を持てず、家族を持つ余裕すら削がれている実情です。記事の問いかけとして、「もし借金に苦しんでいる状況で子どもを持とうと思えるのか?」という点が強調されています。
結論として、出生率の低下は単なる社会的な選択の変化ではなく、経済格差や不安定な労働環境の結果であり、公共政策で解決すべき課題だと訴えています。
2018年07月14日 金が有るのは1940-50年代生まれの人達だけ
「退職しないで、仕事を続ける高齢者が増えている」という内容の記事です。記事では「働きたいから働いている」と説明されていますが、「そうではない。退職しても、ゆっくりと楽しい老後の生活をできるだけの金が無いから働いているのだ」とさっそく非難されています。
- お金持ちの高齢者を多く知ってますが、殆どは「働きたいから働いている」人たちです。それと一般人の多くが「退職しても、ゆっくりと楽しい老後の生活をできるだけの金が有る」のは有史以来1940-50年代生まれの人達だけです。
高齢者は退職せずに働きたい
高齢者が退職せずに働き続けたい理由には、健康状態の改善や長寿化、金融面の必要性、そして仕事への満足感などが挙げられます。多くのアメリカの高齢労働者は、経済的な理由や住宅維持、生活費のために働かざるを得ない場合が多い一方で、やりがいのある仕事を続けたいと望む人も多数います。働く高齢者の割合は増加しており、75歳以上の労働者の増加が特に目立ちます。
主な背景としては、デスクワークやリモート勤務の増加により、身体的負担の少ない仕事が増えたことにより、多くの高齢者が長く働ける環境が整ってきていることがあります。また、AIやテクノロジーの活用で、体力的に困難な作業も補助されやすくなっています。加えて、退職後も社会的なつながりや充実感を求めて働き続ける人もいます。
しかしながら、こうした高齢労働者の増加は若年層のキャリア進展に影響を及ぼし、昇進機会の減少や賃金の伸び悩みといった問題も生じています。
この動向は米国だけでなく、日本など他国でも同様で、日本では65歳以上の約4分の1が就労しており、政府や企業も高齢労働者を支援する動きを強めています。
以上のことから、高齢者は単に経済的理由だけでなく、健康面や社会的役割の維持、仕事の充実感から「退職せずに働きたい」と考えていることがわかります。
2017年02月16日 「富の集中」日本も 資産の2割が2%の富裕層に
日本でも富の集中が進んでおり、全体の資産の2割をわずか2%の富裕層が保有するという実態が明らかになった。
主なポイントは以下の通り:
- 野村総研の調査で、2015年に金融資産1億円以上を持つ富裕層世帯は121万7千世帯に増加。2011年比で40万世帯(50%増)増えた。
- 株価上昇による含み益や売却益が主因で、富裕層の資産集中率は約3%上昇した。
- 米国では上位約3%が資産の過半を持つが、日本も同様の傾向に近づきつつある。
- 役員報酬と従業員給与の格差も拡大している。2010年に比べ、年収1億円以上の上場企業役員は289人から414人に増加し、平均報酬は2億円を超えた。
- 一方、上場企業従業員の平均年収は2016年で622万円、2010年比7.8%増にとどまる。
- 国税庁のデータでは給与所得者全体の平均年収は420万円(2015年)、2010年比で2%増。1000万円超を得る層は20%増えたが、年収100万円以下の層も14%増え、二極化が進んでいる。
総じて、日本でもアベノミクス以降、株価上昇を背景に富裕層が増え、同時に格差拡大が進行しており、米国型の「中間層の縮小と二極化」が現れ始めていることが示されている。
2015年01月20日 2016年、「1%」の最富裕層が世界の半分以上の資産を握る(調査結果)
2016年に国際NGO「オックスファム」が発表した報告によると、世界の最富裕層「1%」が世界の資産の50%以上を保有するに至ったとされています。2009年には44%だった富裕層の資産保有割合は、2014年で48%に増加し、そのままのペースで進めば2016年には過半数を超えることが予測されていましたが、実際には2015年中にこの現象が現実となりました。
具体的には、最富裕層1%の平均資産は約270万ドル(約3億1600万円)であるのに対し、人口の80%に当たる層の平均資産は約3851ドル(約45万円)にとどまります。また、世界で最も裕福な62人の資産総額は、世界の貧しい35億人の合計資産とほぼ同じ規模になっています。こうした貧富の差は年々拡大しており、国際社会からは強い警鐘が鳴らされています。
この報告は、世界経済フォーラム(ダボス会議)に合わせて公表され、会議に参加する富裕層や権力者に対し、格差の是正を求める働きかけがなされています。富裕層の経済的な影響力が強まり、政治的ロビー活動により、自らに有利な政策形成が進み格差が固定化されているとの指摘もあります。
現代社会の厳しい現実を生き抜くための考え方や戦略を示した作品です。本書では、人間関係や経済、心理の側面から「どう生きるべきか」を探求しています。
主な内容としては、社会の不確実性や競争の激しさに対して感情的に振り回されず、冷静に自己を分析しながら「合理的な判断」を下すことの重要性が述べられています。また、自身の強みを最大限に活かし、他者との比較ではなく自分自身の価値を見極める視点が強調されています。
さらに、資本主義や社会構造の現実を受け入れつつ、精神的な安定や幸福感を得るための方法論も取り上げられています。生き延びるために必要な「思考の柔軟さ」と「戦略的な適応力」に焦点が置かれている点が特徴です。
全体として、厳しい世界で自己を守り、充実した人生を送るための実践的な哲学と方法論が示されています。
この残酷な世界で生き延びる方法
- この世界は残酷である
- 知能の70%は遺伝で決まる
- ほとんどの人は努力しても変われない
- 社会で評価される能力は偏っている
- 社会で評価される能力を持っていない場合は低賃金、低地位の仕事をするしかない
- そこから抜け出すには、自分の好きなことをインターネットで発信するしかない
- 人は得意なことを好きになる
- ニッチな場所を狙う
- 儲かることではなく自分の好きなことを発信する
- インターネットのツールを使いこなす
- 幸せになりたければ会社以外で自分の居場所を作ること
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