中国で新たな「横たわり」がブーム その名は「ネズミ人」
by 李凌
中国の逃避型ライフスタイル「躺平(タンピン)族」(寝そべり族)の進化系である「ネズミ人」の実態とは。
ChatGPT:「ネズミ人」という言葉は、中国で近年話題となっている若者たちの新しいライフスタイルや社会への態度を象徴する言葉です。これは、「横たわり」(躺平)と呼ばれる逃避型のライフスタイルの進化系とも言われています。
■「横たわり(躺平)」とは?
「躺平(タンピン)」とは、過度な競争社会に疲れ、出世や結婚、マイホームなど、社会的成功とされる目標を追うことをやめ、最低限の生活だけを目指す若者たちのライフスタイル。中国の若者たちは過酷な労働環境や高すぎる生活コスト、将来への不安などから、「頑張らない」選択をするようになりました。
■「ネズミ人」とは?
「ネズミ人(老鼠人)」は、「横たわり族」よりもさらに“地下化”した存在です。名前の通り、「ネズミ」のように目立たず、静かに、自分の小さな世界にこもって生きている人々を指します。具体的には:
- 地下室や小さな部屋で生活
- 最低限の消費・労働
- 社会との接点を最小限にし、ネット上での活動中心
- 成功や上昇志向を持たず、自分の世界だけに満足する
■なぜ「ネズミ人」が増えているのか?
いくつかの社会的・経済的背景が影響しています:
- 都市部の生活費高騰:特に北京や上海のような都市では、家賃が非常に高く、若者が自立して生活するのが困難。
- 就職難・経済低迷:大学卒業者が過去最多である一方、雇用の受け皿が不足。
- 社会的プレッシャーの増大:「996」(朝9時〜夜9時、週6日労働)文化の厳しさ。
- 心理的疲労と疎外感:競争社会で「勝ち組」になることに疲れ、違う生き方を模索。
■社会の反応
政府や主流メディアはこの風潮に批判的で、「不健全なライフスタイル」とされることが多いです。しかし一方で、共感を示す若者も多く、SNSでは「ネズミ人」たちの生活や哲学が共有されるなど、ひとつのカルチャーとなりつつあります。
■まとめ
「ネズミ人」は、現代中国の若者たちが感じる生きづらさや社会不安の現れとも言えます。彼らの選択は、必ずしも“怠惰”ではなく、“自己防衛”であり、“サバイバル戦略”として理解することもできるのです。