幸福度ランキング1位のフィンランドへの移住は幸せか?
人気美容師に聞く北欧移住のリアル
2023年03月19日
さすが幸福度No.1の国だけあるが、手厚い社会保障の裏に潜むデメリットも感じるという。
『いい車に乗りたい』『いい時計が欲しい』という価値観の人には合わない
「稼いだ分は税金として持っていかれるので、『いい車に乗りたい』『いい時計が欲しい』という価値観の人には合わないかもしれません。僕自身、ある程度そういったプライドを置いてきたつもりだったんですけど、たまにもっといい家に住みたいなぁと思うことはあります。
フィンランドに来てから得たこともたくさんあるので、自分をうまく納得させていますね」。
長く住んでいると日本の良さが際立ってくる
「長く住んでいると日本の良さが際立ってきちゃうんですよね……。年末から年始にかけて3人の日本人が帰国しました。もう無理。寒いって。理由はそれぞれですが、長い冬がきついのも大きな要因ですね」。
長くて寒い冬、乏しい食文化……帰国が頭をよぎる
フィンランドの冬は長い。寒い日はマイナス20度を超えることもあり、日照時間が6時間程度の日が数カ月続く。日照時間とうつ病は相関関係があると言われるが、事実、フィンランドはメンタルヘルスの問題を抱える人が少なくない。長くて寒い冬を耐えるのは過酷なサバイバルなのである。
「サウナはありますが、温泉はありません。きついときに支えになるのが食や友達だったりするんですが、フィンランドの食は乏しいんです」。
海外生活が長くなると日本食が恋しくなるというのは誰もが通る「あるある」だが、自分のメンタルが支えられていたと気付くのは、52歳という年齢もあるかもしれない。
みんな、どのタイミングで帰るかを考えている
「髪を切りながら人の話を聞く機会が多いんですが、同世代の日本人は『病院食は絶対和食がいい』って言ってて(笑)、どのタイミングで帰るかをみなさん結構考えていますね。僕自身、日本食がいかに自分にとって存在が大きいか、日本を離れる前は気付きませんでした」。