不安定な現代社会のなかで「心のバランスを取る」ため
2025年10月01日 Z世代はなぜ「古き良き時代」にひかれるのか? 裏にある願望を心理学者が解説
この記事は、Z世代が「古き良き時代」への憧れを示す文化現象について解説しています。特に「Nostalgia Core(ノスタルジアコア)」という潮流に注目し、Y2K美学の復活と心理的背景を探っています。
コアカルチャーの広がり
- コテージコア(田舎暮らしやゆっくりとした生活への憧れ)
- フェアリーコア(妖精や魔法的なロマンへの共感)
- キッドコア(子どもの遊び心や無邪気さの表現)
これらはネット上で共通の趣味や価値観を持つ集団が作り出す新しい「美学」で、懐かしさや理想化された過去への強い関心を表している。
ノスタルジアコアの特徴
- 過去の「ゆっくりと流れる時間」や「シンプルな暮らし」への集団的願望
- 無限に続く夏休みのような感覚
- テクノロジーがまだ生活を支配する存在ではなく、魔法のように捉えられていた時代への回帰願望
Y2Kリバイバル
- 2000年代初頭のファッションや文化が新しい形で人気再燃
- ローライズジーンズ
- 蝶モチーフのヘアクリップ
- 折りたたみ携帯電話
- 粗い画質のグラフィック
- MySpace風のフィルターや2000年代ヒット曲のTikTokでの復活
- Y2Kスタイルは「未来への希望と遊び心」を象徴し、懐かしさと新鮮さを同時に提供
- Z世代自身は当時を直接体験していないが、その「前途に楽観があった時代」として共感を寄せている
背景にある心理的要因
- 現代社会は複雑で先行き不透明感が強い
- Z世代にとってノスタルジアは「安心できる拠り所」や「不安に対処するためのメカニズム」として機能している
- とりわけ、未来が希望に満ちていた過去のイメージは現代の閉塞感と対照的で魅力的に映る
このようにZ世代のノスタルジア志向は、単なる流行ではなく、不安定な現代社会のなかで「心のバランスを取る方法」でもあると位置づけられます。
アメリカにおける福音派の宗教集団・運動の歴史と政治的影響力の拡大を、特に終末論的世界観に焦点を当てて描き出しています。
本書は、第二次世界大戦後から現在に至るまでの福音派の動きを詳細に追い、人種差別、中絶、同性婚、イスラエルとの関係などの社会的・政治的論点に彼らがどのように関わってきたのかを解説します。カーター大統領時代の「福音派の年」やレーガンの保守革命、クリントンやオバマ政権時代の福音派の政治的立ち位置、さらにトランプ大統領の誕生と再選に至るまでの過程も扱われています。
福音派は宗教的信念と政治的ロビー活動が結びついた独特の存在であり、保守的な中絶反対や同性婚反対、進化論に対する懐疑などの政策的特徴を持つ一方で、他の宗教保守層との差異も視野に入れています。著者は政治的な構図や福音派と歴代大統領との関係に多くのページを割き、宗教教義だけでなく社会・政治への関与を多角的に描写しています。
この本は、アメリカ社会に深い亀裂を生み出している福音派の終末論的世界観と政治的影響力を理解するうえで重要な資料となっています。

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