日本は世界中から孤児をかき集めて国営の養護施設で成人まで育てたらいい

健康

 

20世紀の共産圏諸国で似た試みがありましたが、うまくはいきませんでした

  • 理由はいくつもあります。

共産圏での実例

  1. ソ連:
    内戦後やシベリア開拓の中で孤児を国営施設で育てましたが、画一的な教育と家族不在による心のケア欠如から、非行・精神障害・社会的適応困難が多発しました。
  2. 中国:
    文化大革命期に孤児や親を失った子供を集団で管理しましたが、家族を代替する共同生活では愛着形成が不十分で、人格や学業に悪影響が出ました。
  3. 東欧諸国(ルーマニアなど):
    孤児院が大量設置されましたが、愛情や個別対応の不足で、発育障害や人格障害が社会問題化しました。

なぜ失敗したか

  1. 愛着と家庭の代替不可性:
    子供の健全な発達には一対一の安定した関係(親子関係)が不可欠で、施設では代替できません。
  2. 個別対応の欠如:
    大量の子供を集団で管理する方式は、発達障害や愛情剥奪症候群の温床となりました。
  3. 文化的摩擦の軽視:
    小さい頃から育てられても、外見や潜在的なルーツの扱いで差別や同化圧力の問題が必ず浮上しました。
  4. 国家による「人間の社会化」失敗:
    共産国の社会主義的理念では「国が親の代わり」を掲げましたが、人間の情緒発達はトップダウン管理では成立しませんでした。

日本で考えた場合、理論的には「人道的・多民族化・摩擦減少」に見えますが、実際は以下のリスクがあります。

  • 孤児をモノ扱いする発想として国際批判を招く
  • 子の人権保障が脆弱になりやすい
  • 家族感覚のない成人を大量に生み出し、むしろ社会適応が困難
  • 長期的には民族共生どころか孤児世代の孤立を生む可能性が高い

結論として、20世紀の共産国と同じ轍を踏む可能性が大きく、「国営孤児収容」モデルは人道的にも制度的にも成り立ちにくいです。

 

 

赤ちゃんを国家が育てる「赤ちゃん工場」は歴史的に失敗している

赤ちゃんを人工的に大量に育てて国家が一括管理・教育する「赤ちゃん工場」的な発想は、近代国家の中で何度も構想されたことがあります。しかし歴史的にはほとんど失敗しており、人間社会や心理の複雑さが背景にあります。

歴史的事例

  1. ナチス・ドイツ
    レーベンスボルン計画で「優良人種」の子どもを人工的に増やし、国家が養育する仕組みを作ろうとしました。だが子どもへの虐待やアイデンティティ喪失の問題が多発し、戦後は強く否定されました。
  2. ソ連の孤児院システム
    国家主導で大規模孤児院を運営し、子どもを労働力や「新しい社会主義人間」に育てる試みがなされました。しかし家庭の愛情を欠いた養育は多くの子どもに情緒障害や学習遅れを生じさせ、犯罪増加にもつながったと報告されています。
  3. 毛沢東時代の中国
    集団育児(人民公社など)も一部で試みられましたが、結局家庭での子育てに回帰しました。

「赤ちゃん工場」や国家育成が失敗する理由

  • 人間の発達には単なる教育や食事だけでなく、家族的な愛着形成が重要。これが欠落すると感情面・社会性に深刻な傷を残す。
  • 国家が教育を独占すると、独裁体制を強めるが、逆に多様性や創造性が失われて発展が停滞する。
  • 実際には社会が要求する「エリート」は固定的ではなく、時代により必要な能力が変化するため、計画通りの「優秀な国民工場」は機能しない。

フィクションとの比較

  • 『鋼の錬金術師』の大総統(キング・ブラッドレイ)は人工的に作られた「最強の人間」で、国家のエリートとして育てられた例。これは物語だから成立するが、現実には人間の精神や社会の複雑さがあるため、一枚岩の「完全な戦士」「完全なエリート」を国家が生産し続けることは不可能でした。

つまり、ナチスやソ連のケースが失敗したのは必然であり、「人間は機械的に量産できない」ということを示しているといえます。

 

 

夫婦以外の血縁者集団が子育てに関わることは自然な仕組み

人類の子育ては基本的に家族が中心となりますが、夫婦以外の血縁者集団が子育てに深く関わることは人間だけでなく他の霊長類にも見られる自然な仕組みです。知性や制度だけで完全に克服できるものではなく、共同体や社会の試みも一定の失敗や限界が指摘されています。

  1. 家族・血縁集団の役割
    人間は赤ちゃんの世話を家族だけで行う傾向が強いですが、母親以外にも父親や祖父母、親族、時には近隣のコミュニティが自然と育児に参加する現象は広く観察されています。特に祖父母の重要性や、複数の大人による協力的な育児が人間の社会・文化の特徴とされます。
  2. 血縁集団以外の共同生活の問題点
    血縁以外の集団による共同生活や子育てを巡る試みは、制度として繰り返し挑戦されてきましたが、地域や施設、親以外の養育者だけで育てる場合、愛着形成の課題や精神的な歪み、社会的適応問題が起きやすいという指摘が多くあります。
  3. 知性や制度の限界
    親以外の集団による育児を知性や制度で補おうとしても、十分な「心の安心」や「愛着形成」がなければ、子どもの情緒・発達に悪影響を及ぼすケースは実際に記録されています。また、愛着の対象は母親だけとは限りませんが、信頼できる成人が一貫性をもってケアすることが必須であり、制度だけで補うことには限界があるとされています。
  4. 実験・支援政策の失敗例
    家庭以外の集団養育や社会的養護を志向した実験的な施設や政策では、逆に情緒障害や社会的不適応を生む場合が多く、子育てはやはり家庭や血縁集団の基礎的な信頼関係が不可欠と考えられています。
  • 補足
    人間の子育ては長期に及びますが、歴史的にも社会制度や共同体による分担は補助的な役割で本質的には家族が中心となります。完全に知性による「理想の集団養育」が成立しない理由は、生き物としての情緒・本能的な要素に基づくためとされています。

以上より、自然な仕組みとしての家族・血縁者中心の子育ては生物的にも社会的にも根深く、知性や制度のみで本質的に置き換えることは困難です。

 

 

両親から愛情を感じないと、子供はどういう大人になるか?

両親から愛情を感じられないまま育った子どもは、大人になってから以下のような特徴やリスクを持ちやすくなります。

  1. 自己肯定感や信頼感の低下
    両親の愛情が不足すると、自分は愛される価値がないという感覚が形成されやすく、自己肯定感が低くなります。これにより、自信を持てず、人間関係に不安を抱くことが多くなります。
  2. 対人関係の困難
    愛着形成がうまくいかないため、人と親密な関係を築くことが難しく、依存的になったり逆に距離を置いたりしがちです。また、感情のコントロールが苦手でストレスに過敏に反応することもあります。
  3. 努力の過剰や嫌なことが言えない
    親の期待に応えようとして過度に頑張りすぎたり、嫌なことを嫌と言えない傾向があります。これが原因で燃え尽きや不登校、抑うつ状態になるケースもあります。
  4. 仕事や恋愛の継続困難
    自信のなさや対人関係の苦手さから、仕事を長く続けられなかったり、恋愛に臆病になったり逆に奔放になったりすることがあります。
  5. 心身の発育障害リスク
    極端な愛情不足は成長ホルモンの分泌に影響し、心身の発育遅延や「愛情遮断症候群」と呼ばれる状態を引き起こすこともあります。
  6. 克服の可能性
    こうした影響は大人になってからでも心理的ケアやサポートにより改善可能です。

以上から、両親からの愛情不足は自己肯定感の低下、人間関係の問題、精神的ストレスの増加、心身の発育への影響など多方面に影響を及ぼすことが分かっています。

 

 

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