世界中で若者の心臓発作が増えている?

世界

 

いいえ、寿命が伸びたので、世界各国の各世代で循環器系の病気が増えています

インドでは若者の心臓発作が増えている

インドでは近年、若者の心臓発作が増加していることが複数の報告で明らかになっています。特に40歳未満の若年層での心臓発作の割合が高く、2020年以降のデータでは心臓発作の症例の約50%が40歳未満の若者であるとの報告もあります。

この傾向の背景には以下の要因が挙げられます:

  • インド人は遺伝的に他の民族より心臓病発症が早く、かつ若年層で冠動脈疾患が多いこと。
  • 生活習慣の変化で、ジャンクフード中心の食生活、座りがちな生活、不健康な食事、喫煙、飲酒、運動不足、ストレスが増大していること。
  • 新型コロナウイルスのパンデミック以降、心臓疾患が若年化しさらに増加傾向にあるとされる。
  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病も増えている点が心臓発作のリスクを高めている。

実際にインドでは、2023年10月には24時間以内にラージコット市で若者5人が心臓発作で亡くなるなどの急増事例も報告されており、特に都市部や若い経営層に深刻な健康リスクが及んでいることがわかります。

このように、インドの若者における心臓発作の増加は遺伝的要因だけでなく、急激な生活様式の変化と現代のストレス環境が複合的に影響していると考えられています。

したがって、インドの若者の心臓発作増加は重大な公衆衛生問題であり、予防には早期の生活習慣改善や健康診断の強化などが重要視されています。

 

 

中国では若者の心臓発作が増えている

中国では若者の心臓発作や心血管疾患の増加傾向が報告されています。特に若年層での心筋梗塞や脳血管疾患が目立っており、20〜40代の発症例が散見され、突然死も珍しくなくなっている状況です。

背景としては、心臓病や脳血管疾患のリスクを高める要因が増加していることが挙げられます。具体的には、高血圧、糖尿病、肥満(特に農村部で若者の肥満が急増)、運動不足、喫煙、不健康な食習慣といった生活習慣病の増加があります。特に農村部での若者肥満の増加は社会経済の変化や食習慣の欧米化が背景にあり、これが心血管疾患リスクの増大に寄与していると考えられています。

また、中国の研究によると、若年での性行動開始(初交年齢が低いこと)が狭心症や心房細動・心筋梗塞など心血管疾患のリスク増加と関連があるというデータも報告されていますが、この因果関係の詳細やメカニズムはまだ完全には解明されていません。

なお、全体的に中国の心血管疾患患者数は3億3,000万人に上り、高齢化や都市化の進展に伴い増加傾向が続いているため、若者だけでなく広い世代での予防対策が求められています。

まとめると、中国では若者の心臓発作や心血管疾患の増加が現実に起きており、これは肥満や生活習慣病の増加、生活スタイルの変化、さらには特定の行動リスク要因の影響が複合的に関与していると考えられています。

 

 

日本では若者の心臓発作が増えている

日本では若者の心臓発作(急性心筋梗塞や心不全など)が増加傾向にあります。その主な背景には次のような要因が挙げられます。

  1. ライフスタイルの変化:
    若者の間で食生活の乱れ(高カロリー・高脂肪食の増加)、運動不足、長時間のスマホ・パソコン使用による運動減少が進んでいます。これによって心臓に負担がかかりやすくなっています。
  2. 肥満やメタボリックシンドロームの増加:
    肥満は高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病を引き起こし、それが心筋梗塞や心不全のリスクを高めています。
  3. ストレスの増加:
    学校や仕事、社会的プレッシャーなどによる慢性的なストレスも心臓病のリスク要因とされています。
  4. 若年での発症例の増加:
    特に30~40代だけでなく20代でも狭心症や心筋梗塞が発症する事例が増えており、生活習慣病の影響や遺伝的要因も一因と考えられています。
  5. 統計データの傾向:
    重症の急性心筋梗塞(ST上昇型)の患者数は2019年から2023年の5年間で約2,250件増加しており、これは高齢者に限らず一定数の若者も含まれる傾向です。

一方、日本全体では高齢者の心不全患者が急増しており、医療提供体制の課題も指摘されていますが、若者の心臓病増加は特に生活習慣の変化が大きな要因です。

こうした若者の心臓発作増加に対しては、バランスの良い食事、定期的な運動、ストレス管理、喫煙や過度の飲酒の回避、定期健康診断の受診が勧められています。

要約すると、日本では近年の若者の生活習慣変化により心臓発作の若年化が進んでおり、心筋梗塞や心不全など心疾患の発症が増加しています。これは社会的な健康課題となっており、予防や早期発見の重要性が高まっています。

 

 

寿命が伸びたので、世界各国の各世代で循環器系の病気が増えている?

寿命が伸びて高齢化が進む世界各国で、特に高齢者層において循環器系の病気(心不全、脳卒中、高血圧など)が増加していることが明らかになっています。

具体的には、高齢者の増加に伴い、心不全の有病率や発症数が増加しています。例えば欧州の研究では、心不全の有病率は年齢が上がるほど増加し、65~74歳で約4%、85歳以上では約17%と高くなっています。米国でも60歳以上で心不全患者が著しく増えています。日本においても65歳以上の高齢者の心不全発症者数は増加傾向にあり、超高齢社会と相まって深刻な状況です。

また循環器系の病気の中でも高血圧は年齢とともに増え、70歳以上の約70%が高血圧であるという調査もあります。血管の老化や心臓への負担増加が原因で、これにより脳卒中や虚血性心疾患などの循環器病リスクも高まっています。

世界的には、先進国を中心に心血管疾患の死亡率は減少傾向もありますが、人口の高齢化により患者の実数は増加しています。日本では脳卒中や循環器病が高齢者の主要な死亡原因となっており、これらの病気の克服が健康寿命延伸の重要課題とされています。

まとめると、寿命延長による高齢化の進展で、多くの国で循環器系疾患は特に高齢者において増加しているというのが現状です。世代別に見ると、若年層よりも高齢者層における病気の増加が顕著です。生活習慣病の増減など個人差もありますが、加齢に伴う循環器系疾患の増加傾向は世界的な現象といえます。
 

愛するということ
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1956年に出版された愛の本質についての思想書で、「愛は技術であり能動的な活動である」と説いています。フロムによれば、愛とは単に感情ではなく、「自分の中に息づく喜び、知識、思いやりなどを他者に与える行為」であり、自己の本質から他者の本質に関わっていくことが重要とされています。

本書の中でフロムは、愛の本質を「配慮、責任、尊重、知」という能動的な基本要素を伴うものとし、愛するということは単に誰かを好きになることではなく、世界全体への態度として全ての他者に与える姿勢であると述べています。そして愛とは「誰を愛するか」ではなく「自分自身が他者にどう接するか、その態度こそが愛」であるという点も強調しています。

また、愛は与えることそのものに喜びがあり、与えることで相手もまた愛を生み出す力が養われると説明されていて、与えることは受け取るための打算的な行為ではないとされます。さらに、恋愛や母性愛など愛の形態の違いや成長の過程で発達する愛の能力についても論じられていて、真の恋愛は相手の人生に自分の人生を賭ける意思の行為であると認識されるべきだとしています。

要するに、フロムの『愛するということ』は、愛を感情や偶発的なものとしてではなく、成熟した人格を前提にした「習練と技術」として捉え、その能動的・責任ある実践としての愛の本質を深く考察した名著です。

以上の内容は下記のようにまとめられます。

  • 愛は「対象」ではなく、「自分の他者への態度」である
  • 愛は感情ではなく能動的な「技術・習練」である
  • 愛の本質は「配慮、責任、尊重、知」を含む
  • 愛することは「自分の生命(喜び・知識・感情)を与えること」
  • 愛は与えることで相手にも愛を生ませる循環である
  • 恋愛は「意思に基づいた行為」であり、偶発的な感情ではない
  • 真の愛は自己と相手の「本質」から関わることである

このように『愛するということ』は人間の愛の本質を深く哲学的かつ心理学的に分析した世界的ベストセラーです。

 

 

 

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