摂取を控えめに
人気の砂糖代替品が脳卒中のリスク増加と関連
最新の研究によると、シュガーフリーや低カロリー食品に広く使用されている砂糖代替品「エリスリトール」が、脳卒中のリスクを高める可能性が指摘されています。以下、記事内容の要点を端的にまとめます。
- エリスリトールは主にトウモロコシを発酵させて作られる糖アルコールの一種で、多くの加工食品や飲料、またケトジェニックダイエット向けの商品に多く含まれています。
- 2024年7月14日のコロラド大学の研究によると、一般的なシュガーフリードリンク程度のエリスリトール濃度で脳内の血管を構成するヒト細胞を3時間処理した結果、次のような変化が見られました。
- 血管拡張を促す「一酸化窒素」の発現が有意に減少
- 血管を収縮させるタンパク質の生成が増加
- 炎症反応や老化を促進するフリーラジカルの生成も増加
- これらの細胞変化が脳卒中リスク増加のメカニズムにつながる可能性が指摘されています。特に1日に複数回摂取する場合、悪影響が増す懸念も説明されています。
- ただし、この研究は「ヒト細胞を使った実験室レベル」のものであり、実際の人を対象とした大規模臨床研究が今後必要とも述べられています。
- 2023年3月の米国NIHの論文、2024年8月のクリーブランドクリニックの研究でも、エリスリトールが心臓発作や脳卒中リスクと関係していることが報告されています。エリスリトールは血小板を活性化させ血栓リスクを高める作用が認められ、グルコースでは同様の効果は観察されませんでした。
- FDAはエリスリトールを「比較的新しい食品成分」としており、天然のキノコなどにも含まれますが、砂糖代替甘味料としての利用は1990年から始まって日本を含む複数国で承認されています。
消費者への注意喚起として、エリスリトールを成分として含む商品の摂取を控えめにし、ラベルをよく確認するようにと研究者は呼び掛けています。
エリスリトール(エリトリトールとも呼ばれる)
糖アルコールの一種で、主に砂糖の代替甘味料として使われます。化学式はC4H10O4で、トウモロコシや小麦デンプンを酵母発酵させて製造されます。甘さは砂糖の約60~75%程度でありながら、カロリーはほぼゼロ(約0.2kcal/g)で血糖値に影響を与えず、インスリンの分泌も促進しません。また、虫歯の原因となる酸を作らないため口腔内にも優しい特徴があります。
天然の糖アルコールで、果物や野菜、ワインや味噌などの発酵食品にも含まれている成分で、希少糖に分類されます。日本では健康志向の食品やダイエット甘味料として人気が高まっており、「ラカント」という商品の主成分としても知られています。
大量摂取すると糖アルコール特有の緩下作用(お腹がゆるくなる)が起こる場合がありますが、エリスリトールはこの作用が比較的弱いとされています。
まとめると、エリスリトールはほぼカロリーゼロで、血糖値に影響を与えず虫歯のリスクも少ない砂糖代替甘味料として、健康食品に広く利用されています。
はみだしの人類学 ともに生きる方法 NHK出版 学びのきほん
「つながり」と「はみだし」をキーワードに、人類学の基本をユニークな角度から解説しています。現代社会における「私」や「私たち」の関係性、そして多様な文化や他者との共生をどう考え、どう生きるかを模索する内容です。著者は「つながり」には自己の輪郭を強める側面と溶かす側面があり、これら両方に注目しながら「ともに生きる方法」を探求しています。文化の多様性や異なる他者との関係構築についての問いに答え、違いを拒まずに生きやすくする道を示しています。
主な内容は以下の通りです。
- 多様な「わたし」が共存する世界観
- 「つながり」と「はみだし」概念の説明
- 「わたし」が開くことの意味
- 「ほんとうのわたし」とは何か?の考察
- 差異と共に生きる道
- 他者との関わりで「わたし」が変わること
松村圭一郎は文化人類学を専門とし、エチオピアや中東でのフィールドワーク経験を持ち、貧困や所有、分配など社会の多様な問題にも言及しています。
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