新型コロナ重症化率・死亡率 ワクチン未接種の人の方が明らかに高い

接種後の健康被害の発生率0.0060%、重篤0.0014%、死亡例0.0003%

新型コロナワクチン「感染防止効果はあまりなかった」

  • 尾身茂氏発言 波紋広がる

発言の概要

  • 2025年6月8日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」にて、元新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏が「新型コロナワクチンは、感染防止効果は残念ながらあまりなかったワクチンです」と発言し、大きな波紋を呼んでいます。
  • 番組内で尾身氏は、「若者は重症化しにくく、ワクチンの副反応が強いため、接種は本人判断でと初期から訴えていた」とも説明しましたが、共演者からは「そう聞いていなかった」「接種推奨と受け取っていた」との指摘もあり、当時の認識のずれが浮き彫りとなりました。

ワクチンの感染防止効果に関する実際のデータ

  • 初期の臨床試験では、ファイザーやモデルナのワクチンが発症予防効果約95%と高い有効性を示していました。
  • しかし、変異株(特にデルタ株やオミクロン株)の拡大とともに感染予防効果は大きく低下し、2022年以降の国内研究では2回接種後の発症予防効果は約20~40%程度にとどまり、時間経過や変異株の影響でさらに低下する傾向が確認されています。
  • 尾身氏自身も「ワクチンをやったら絶対に感染しないという保証はないし、実際に感染した人がいる」とワクチンの限界を認めています。

社会的反響と課題

  • SNSやメディアでは「もっと早くそう言ってほしかった」「なぜ止めてくれなかった」といった声や、ワクチン接種による健康被害を訴える投稿が多く見られました。
  • 一方で、当時のワクチン政策や専門家の説明に対する疑問や不信感が噴出し、情報発信や説明責任のあり方について再検証を求める声も高まっています。

尾身氏の立場と説明

  • 尾身氏は、高齢者や基礎疾患のある人への接種は有効としつつも、若年層への接種は本人判断であるべきと一貫して主張していたと述べています。
  • ただし、当時の社会的雰囲気やメディア報道とのギャップがあり、接種推奨と受け取られたことが、認識のずれや不信感につながったと考えられます。

まとめ

  • 新型コロナワクチンは、初期には高い発症予防効果が期待されていましたが、変異株の拡大とともに感染防止効果は限定的であることが明らかになりました。
  • 尾身茂氏の発言は、当時の政策や説明に対する社会的な不信感を浮き彫りにし、今後の情報発信や説明責任のあり方に課題を投げかけています。

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未接種者の方が明らかに死亡率が高い

新型コロナワクチンを接種していると未接種の人、どちらが死亡率が高い?

  • 新型コロナウイルス感染症において、ワクチン接種者と未接種者の死亡率を比較すると、未接種者の方が明らかに死亡率が高いことが、複数の大規模調査や公的機関のデータから示されています。
  • 主な調査結果
  • 米国CDCの調査では、デルタ株からオミクロン株(BA.4/BA.5)流行期にかけて、未接種者の死亡率はワクチン接種者(特に2価ワクチンブースター接種者)と比べて常に高く、特に高齢者でその差が顕著でした。例えば、65~79歳では未接種者の死亡率が2価ブースター接種者の23.7倍、80歳以上では10.3倍高いとされています。
  • 全体的な傾向としても、未接種者の死亡率は2価ワクチン接種者の14.1倍、一価ワクチン接種者の5.4倍というデータも報告されています。
  • 日本の厚生労働省のデータでも、ワクチン接種者の致死率は未接種者より低く、特に高齢者でその差が大きいことが示されています。
  • オミクロン株流行期の米国データでは、追加接種(ブースター)を済ませた人の死亡率は未接種者の約97倍低かったという報告もあります。

データ解釈の注意点

  • ワクチン接種者の方が「死者数が多い」と見える場合もありますが、これは接種者の母数が圧倒的に多いことや、高リスク層(高齢者や基礎疾患がある人)が優先的に接種していることが影響しています。致死率(感染者あたりの死亡割合)で比較すると、未接種者の方が圧倒的に死亡リスクが高いことが分かります。

まとめ

  • 新型コロナワクチンを接種していない人の方が、接種している人よりも死亡率が明らかに高いというのが、現時点での国内外の公的データや大規模調査の一貫した結論です。特に高齢者や基礎疾患を持つ人では、その差がさらに大きくなります。

重症化率は未接種の人の方が明らかに高い

新型コロナワクチンを接種していると未接種の人、どちらが重症化率が高い?

  • 新型コロナワクチンを「接種している人」と「未接種の人」を比較した場合、重症化率は未接種の人の方が明らかに高いことが、多くの国内外のデータで示されています。

主なエビデンス

死亡率・重症化率の差

  • ワクチン未接種者の死亡率は、2価ブースター接種者と比較して65~79歳で23.7倍、80歳以上で10.3倍高いという報告があります。
  • 1価ブースター接種者と比較しても、65~79歳で8.3倍、80歳以上で4.2倍高いとされています。
  • 厚生労働省のデータでも、3回接種した高齢者の重症化率・致死率は未接種者より大幅に低いことが示されています(例:70代の致死率は未接種2.00%、3回接種0.63%)。

入院・重症化リスク

  • ワクチン未接種者は、感染した場合に重症化するリスクが高く、高熱や呼吸困難、肺炎などの重い症状が出やすいことが報告されています。
  • 60歳以上の入院予防効果はワクチン接種で44.7~70.7%とされ、ICU入室や救急受診のリスクも大きく減少します。

自然感染との比較

  • 既感染未接種者と未感染ワクチン接種者を比較した研究でも、未接種者の再感染後の入院・死亡率は、ワクチン接種者のブレイクスルー感染後より有意に高いことが示されています。

年齢を問わず効果あり

  • 若年層でも、未接種者は重症化例が多く、10代や10歳未満で重症化した例はすべて未接種者だったという報告もあります。

まとめ

  • 重症化率・致死率は「未接種の人」の方が明らかに高いです。特に高齢者ではその差が顕著です。
  • ワクチン接種者は、感染しても重症化や死亡のリスクが大きく低減します。
  • 年齢や基礎疾患の有無にかかわらず、ワクチン接種による重症化予防効果は広く認められています。

したがって、「新型コロナワクチン未接種の人」の方が、ワクチン接種者よりも重症化率が高いと結論づけられます。

接種後の健康被害の発生率0.0060%、重篤0.0014%、死亡例0.0003%

新型コロナワクチン接種による健康被害の発生率

全体像

  • 日本国内で新型コロナワクチン接種後に報告された健康被害の発生率は、厚生労働省や自治体の公開データに基づき、以下のようにまとめられます。

副反応・健康被害の報告状況(全国)

令和5年10月27日および令和6年4月15日までの特例臨時接種(推定接種回数 約4億3,200万回)において、

  • 副反応疑いの報告:36,910件(発生率 約0.0060%)
  • うち重篤報告:8,887件(発生率 約0.0014%)
  • うち死亡報告:1,633件(発生率 約0.0003%)

富田林市の例

  • 推定接種回数:378,155回
  • 副反応疑い報告:18件(約0.0047%)
  • うち重篤報告:5件(約0.0013%)
  • うち死亡報告:1件(約0.0002%)

主な副反応

  • 注射部位の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱などが多く報告されています。これらの多くは数日以内に回復します。
  • 心筋炎・心膜炎などの重篤な副反応は「ごく稀」とされ、特に若年男性で報告がやや多い傾向がありますが、発生頻度自体は低いです。

臨床試験データ

  • ファイザー社ワクチン(コミナティ筋注)の第3相試験では、2%以上の頻度で発現した重度(グレード3)の有害事象は「疲労(3.8%)」「頭痛(2.0%)」が報告されています。

健康被害救済制度の認定状況

  • 健康被害救済制度への申請は1万件超、うち6千件以上が接種による健康被害と認定、死亡事案は453人が認定されています(2024年時点)。

まとめ

  • 新型コロナワクチン接種後の健康被害(副反応疑い)の発生率は、全国で約0.006%、重篤なものは約0.0014%、死亡例は約0.0003%と報告されています。
  • 一般的な副反応は多いものの、重篤な健康被害は極めて稀です。
  • ワクチン接種によるリスクよりも、新型コロナウイルス感染による重症化や心血管合併症のリスクの方が高いとされています。