ニタゼンはフェンタニルの5倍の致死力 ヨーロッパで短期間に急速拡大

世界

 

中毒死と社会被害を増加

欧州に広がる中国産薬物「ニタゼン」 密輸の実態を追う

中国産の新型合成オピオイドである「ニタゼン系(Nitazenes)」薬物は、欧州で急速に広がっており、その致死性はフェンタニルの5倍と非常に高いことが報告されています。特にイギリス・スコットランドでは、人口約550万人の地域でこのニタゼン系薬物による中毒死が急増しており、3月から5月の間に毒物関連死亡が312件に達し、前四半期比で15%増加しています。このうち6%の症例からニタゼン系薬物が検出されており、専門家は実際にはもっと高い割合であると見ています。

ニタゼン類は極微量で薬理作用を発揮するベンゾイミダゾール系鎮痛薬で、摂取量が非常に少なくても致死的な効果を持つため、従来の検出体制では見逃されやすく、その危険性は重大とされています。法医解剖や死因究明においても特別な超微量分析が必要な薬物です。

フェンタニルは既に米国などで多数の過剰摂取死を引き起こしており、2023年には全米で約10万人以上の死者を出している多死の原因物質ですが、ニタゼン系はさらにその数倍の致死性を持つ新たな脅威と位置づけられています。このような新興の合成オピオイドの拡散は、欧州の薬物対策に深刻な混乱をもたらしている状況です。

まとめると、ニタゼン系合成オピオイドはフェンタニルの5倍の致死力を持ち、欧州で短期間に急速拡大し、中毒死と社会被害を増加させています。これに対応するためには、より高度な検出技術と早急な対策が求められています。

ニタゼン(Nitazenes)

強力な合成オピオイド薬物の一種で、μ-オピオイド受容体(MOR)に非常に強い活性を示します。1950年代に鎮痛剤として開発されましたが、人体使用は許可されておらず、近年は違法市場に出現し、多くの過剰摂取や死亡例が報告されています。ニタゼン類はフェンタニルとは異なる構造を持ちながらも、フェンタニルを超える強力な効力を示す類似体もあります。特にエトニタゼンやイソトニタゼンは強力で、代謝物も高い効力を持つことが確認されています。

特徴としては、ヘロインよりも強力かつ致死率が高く、安価に製造可能なため、違法薬物として拡散していることが指摘されています。薬物検査サービスがニタゼンの検出を強化しており、それに基づいて地域社会での警告や過剰摂取防止策が求められている状況です。

研究面では、ニタゼン類の構造異性体による活性差や、μ-オピオイド受容体に対する結合モデルなども解析されており、これが中毒原因解明や規制の基礎資料となっています。また、ナロキソンの拮抗効果に対してフェンタニルと同様に感受性が低いことも報告されており、臨床的な治療や救命措置にも影響を与える可能性があります。

中国など他国でもニタゼン類及び類似の向精神薬物の規制対象追加が進められており、世界的な公衆衛生上の緊急事態として認識されています。

要するに、ニタゼンは非常に強力かつ危険な合成オピオイドの一群であり、近年の乱用と過剰摂取による死者増加を受けて、世界的に規制と監視の対象となっています。

 

 

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