[内向型]にとって孤独は快適な生活なので、ソーッとしておいて下さい
現代男性の深刻な孤立が「肥満・依存・女性蔑視」という社会病理を拡散させている
- ニューヨーク大学スターン経営大学院の学者スコット・ギャロウェイによる連載の一部であり、彼自身の著書『男として生きることについてのメモ』を軸に、現代男性が直面している孤立とその社会的影響について語られています。以下に要約します。
要約
- 近年、アメリカの男性は深刻な友人不足に陥り、社会的孤立が拡大している。30年前は半数以上の男性が「6人以上の親しい友人がいる」と答えていたが、今では27%に縮小し、15%は「友人が一人もいない」と回答するまでに悪化している。
- この「友の欠如」は、米国で男性の絶望死が急増する背景とも結びついている。孤立した男性は生産性を失い、肥満や薬物・ギャンブル依存に陥りやすく、ポルノや陰謀論、女性蔑視、過激思想に傾きやすい。その結果、良きパートナーにも市民にもなれなくなり、社会全体に負の影響を与えている。
- ギャロウェイ自身も若い頃は女性を「利益か性的対象」としか見ず、男性友人を出世の手段と考えるなど打算的で視野の狭い人生観を持っていた。しかし40代以降、女性との真の友情や、利害を超えた人間的つながりを築くようになり、人生が豊かになったと語る。
- 彼は「人間は最も親しい5人の友人の平均値である」と強調し、新しい出会いを恐れずに求め続けることが必要だと説く。家で一人Netflixを見るのではなく、リスクをとり人と関わることこそが孤立の連鎖を断ち切る道である。
まとめ
- 男性の孤立は、依存症や女性蔑視などの社会病理を拡散させている。だが解決策は「良き友人関係を築くこと」であり、自ら積極的に交流の場へ出ることが不可欠である。人生の充実度は友人の質と数によって大きく左右される、というのが著者の主張である。
スコット・ギャロウェイ「男として生きることについてのメモ」
彼自身の人生の輝かしい部分や挫折、情けない部分も含めた記録であり、現代の男性が抱える孤立や絶望の統計的現実と向き合いながら書かれています。
主な内容は以下の通りです。
- 男性の孤立が深刻化し、社会的な孤立や健康問題、依存症、女性蔑視、陰謀論、過激思想に染まりやすい現状がある。
- しかし、この状況は変えられるし、変えなければならないという強いメッセージが込められている。
- 人生の方向を決めるのは友人であり、人格が優れ野心的な人々と友人になることが自分の成功向上につながる。
- 親しい友人の存在が人生の充実に極めて重要であり、新しい人々との出会いを決して閉ざさないこと。
- ギャロウェイ自身の経験として、若いころは自信がなく、他人の成功に威圧されて社交の機会を避けていたが、後に積極的に人と交流し人生が豊かになったこと。
- 男らしさについては、残酷さや暴力は男らしさとは異なり、年齢を重ねた男性が少年に関わり、関心を持って支えることが男らしさの究極の表現だと述べている。
この本は男性や男の子の親への道しるべともされ、社会的な孤立や男性の自己肯定感の問題に切り込む内容となっています。全体としてギャロウェイは、人格形成、友情、自己成長を通じて男性としての生き方を問い直し、現代男性が社会の中で充実した人生を送るための示唆を提供しています。
コメント
- 日本の問題に思われがちだけど世界中が似たような問題を抱えている。文化も歴史も違うのに何故か共通するのはネットやスマホなのでそういったものの浸透がこういう孤立化に繋がっているとは思う。ただ孤立化に対して特に問題視もしてないけど。これはこれで転換期というか必ず耐性がついて次に進む。
- スマホが全くない時代、ランダムな内容のテレビ、ラジオを見たり聞いたりしていた。YouTubeなんてないから、すきな番組を放送日まで待たねばならなかった。LINEももちろんメールもないからメッセージは会うか、電話だった。今は?好きなコンテンツは『今』見れるし、LINEを送ればすぐ返事がある。『今不在です』なんてない。嫌いな人とは交流しなくても何ら支障もない。一部の優秀で向学な方を除き、時間の使い方、人間関係全てはストレスだし難しい。しかし、今はその『煩わしら』『孤独』から全て解放されました。当然、人は楽な方をとりますよね。それがいいか、悪いは後世にならないとわからないですね。
- わたしも中年男性で友達ゼロ人知り合いゼロ人。プライベートで連絡を取る対象が存在しません(稀に実家の親から連絡が来るくらい)。孤独問題の当事者です。肥満ではなく、マチズモ的女性蔑視もありませんが、アルコール依存など諸々の精神疾患を抱えています。寂しくて自宅で一人で泣いた時期や、友達を作る為にサークルに通ってみたりSNSのグルチャに参加してみたりした時期、自助グループに参加してみた時期もありましたが、今はもう諦めました。一人で問題を抱えて、そのうち大病患って死ぬんだろうなぁと思いながら、会社のリア充共とは別の世界に生きています。
- 男性は結婚しようがしまいが、「男は稼ぐべき」という根強い社会的圧力により、人生の選択肢は実質的に「(正社員として)働き続ける」一択である以上、男性の幸福度は仕事そのものや収入に充実・充足感を得られるか否かに左右されやすいのは必然というか不可避なんですよね。実際、低収入・恋愛経験ゼロ・実家暮らし等の形で「男らしさを持たない男性」に対して、男女双方からチーとか子供部屋なんとか等の言葉で冷笑や蔑視が浴びせられ、これらの言葉はまさに旧態依然の「男らしさ」の価値基準から降りることは許されない、という社会的プレッシャーといえます。
- 一言で表すなら『陰キャ化』だが、日本やアメリカだけじゃない。世界中で起こっている。原因はデジタル機器の依存性と産業構造の変化による低所得者層の増加で間違いない。あれだけ人口爆発していた中国やインドですら出生率にブレーキが掛かった。おそらく無関係じゃない。密接に関係していると思う。
- 若い人は、頭の中の友達像を手放したら、案外自すでに友達がいて、昼に誘ってみたら楽しかったりするんじゃないの。アニメだとかでべったりな友達像ができちゃってて、それで孤独を感じるとか。そんなにべったり人付き合いしないのが本来なのかも。
- 性欲を全く抜きにした異性との深い友情は、私にとってはかなり遠い事のように思う。
年齢を重ねて欲が無くなって来る頃か、または異性の友人以外にその欲を満たしてくれる存在が居る状態でないと、それは悟りを開くレベル並に難しい。 - 典型的な問題の矮小化ですね。孤立、肥満や依存、女性蔑視は社会の問題です。男性個々人の問題にしたところで解決が先送りにされるだけですよ。社会全体として解決方法を模索するべきであって、単純に友達がいないから問題が起きるんだと言っても何も解決しません。問題から目を逸らさず、社会全体としての対応が不可欠です。
- 友達もだけどペットとか趣味とか、散歩とかでも毎日してるだけで価値観広がったり気持ちよく過ごせる物だけどな。地元を遠く離れての生活だけど、毎日楽しい。
Notes on Being a Man (English Edition)
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