Primeiro Comando da Capital
ブラジル最大級の犯罪組織、日本など各国に拠点拡大か
ブラジル最大級の犯罪組織「州都第一コマンド(PCC)」が、日本を含む海外で活動拠点を拡大していることが明らかになっています。
- PCC(Primeiro Comando da Capital)は、サンパウロを拠点とし、もともと刑務所内の囚人の権利を守るために結成された組織ですが、現在は麻薬・武器の密売や資金洗浄などを主な資金源としています。
- 構成員は世界28カ国に約4万人まで拡大し、**年間収入は約10億レアル(約2700億円)**に上るとされています。
- 近年、PCCは従来の南米域内にとどまらず、日本やドイツ、トルコなどでも活動が確認されました。特に日本は、アジアで唯一PCCのコカイン密輸・販売の拠点と認定されており、日本を経由して他のアジア・オセアニア諸国へのコカイン流通拡大が懸念されています。
サンパウロ州検察当局の調査によると、PCCは過去2年間で海外構成員を通じて独自の流通網を構築し、麻薬密輸ルート確保支援からさらに活動範囲を広げている。
- PCCの特徴として、幹部の多くが刑務所内に収監されているにもかかわらず、刑務所からの指令で組織が拡大し続けている点が挙げられます。また、イタリアのマフィアや中東のイスラム原理主義組織ともつながりがあるとされ、「地球的規模の犯罪組織」になるとの懸念が強まっています。
まとめ
- PCCは南米最大級の犯罪組織で、麻薬・武器密売や資金洗浄を主な資金源とし、世界28カ国に拠点を拡大。
- 日本ではコカイン密輸の拠点として活動が確認されており、アジア・オセアニアへの流通拡大が懸念されている。
- 刑務所を司令部とし、国際的な犯罪ネットワークとも連携を深めている。
- 急速な成長を遂げるブラジルの現在を多角的に描いた入門書です。著者は日本経済新聞社の元サンパウロ支局長で、南米駐在歴9年の経験を活かし、現地の政治・経済・社会・外交・環境・デジタル化など幅広いテーマを網羅しています。
主な内容・特徴
- 多様性の国ブラジル:世界第5位の国土、世界第7位の人口を持ち、農産物や鉱物資源、航空機産業などで国際的な存在感を強めています。
- 政治状況:右派(ボルソナロ前大統領)と左派(ルラ現大統領)の対立が続き、中道連合「セントロン」が議会運営の鍵を握っています。
- 外交・国際秩序:米中の間で独自の立場を模索し、2024年にはG20議長国、2025年にはBRICS議長国としてグローバルサウスのリーダーを目指しています。
- 環境問題:アマゾン熱帯雨林の保護をめぐる国際交渉の最前線についても詳述。
- 経済・産業・デジタル化:コーヒーや鶏肉、エタノール燃料、航空機などの供給国であり、電子決済「PIX」などIT分野でも先進的な取り組みが進んでいます。
- 日本との関係:130年に及ぶ外交関係や、民間レベルでの協力、日系人社会の存在など、日本とのつながりも多角的に解説しています。
- 現地取材・インタビュー:政治家、経済人、オリンピック選手など、ブラジル社会を動かす人々への単独インタビューも多数収録。
目次例
- 多様性の国
- 政治:右派と左派の対立
- 外交:国際社会の新秩序構築
- 環境:アマゾンの保護
- 農業・産業:世界の供給源
- デジタル・金融:電子決済PIX
- 日本との関係
- 未来の大国
こんな人におすすめ
- ブラジルの最新事情を知りたい人
- 政治・経済・社会・環境など多面的に南米を理解したい人
- グローバルサウスや新興国の動向に関心がある人
本書は、「コーヒー・サッカー・サンバ」だけでは語れない現代ブラジルの全体像を、現地目線でわかりやすくまとめた一冊です。