竹島

山陰新報 1953年07月14日 昭和28年07月14日

竹島で巡視船発砲さる 韓国漁船から數十發 境海上保安部の「へくら」

日韓両国がおのく領有を主張して問題になつている日本海の竹島(島根県郡五箇
村の調査に向った海上保安庁巡視船へくら(四五〇トン)から「十二日韓国漁船か
ら発砲を受けた」と十三日海上保安庁に報告があつた。

なお第八管区海上保安本部では十 三日午後、巡視船「へくら」が竹 島で韓国官から射された当時状況を次のように発表した。 「べくら」は海上保安部長柏 一次一等保安正が総指揮をとり松 補正一船長以下三十九名が乗組ん 十一日午後八時を出、 去月二十七日巡視船「くずりゅう」 「おき」が日本領土標をたて韓 国漁民六名に退去を命令したその 後の実筒を調査するため竹島に向 十二日午前五時現地に到着 栗島、西島周囲を一周したところ いずれも十ぐらいの韓国漁船三 (白塗11、青塾)を認め調査の結果、七名の警備官を含む約四 十名の韓国漁民が乗っていた。 「へくら」は同六時二十分ポート を下して島に向おうとしたところ 白漁船が近づいてきて島の 巡査部長と称する男一名、同中学 教師と称する男二名が「へくら」 に乗りこみ船長室で柏部長と会見 した。 会談は約一時間半に及んだ が、韓国側は竹島の領土権を主張 双方とも相手方の退去を主張して らず物別れに終った。 八 国側代表は下船し「へくら」は調 目的をしたので出発しようとしたところ後方の西島の小高い地 点から数十発の銃声がとどろき、 うち一発は「へくら」の船体左後 部の綱に命中したが、負傷者はな かつた。「へくら」は十二日午後五時半 に帰したが、竹島に前回調査 立てた領土標識はなくなつて おり、付近にいた韓国の漁船には カーピンをもつた警備員の姿が 認められ警備船が警戒中と見られ ている。なお「へくら」はきよう午前八 時を出港、一般しよう戎勤務 について同日夕刻帰の予定。 池端 第八管区海上保安本部長 談 巡視船が無防備の危険を して韓国が竹島の備を強化し、ている実情を確認、任務を果し帰 したのは成功で乗組員の沈着さ は称すべきだ。領土権の帰属問 日韓両国の紛争の焦点になつ ている竹島は去月二十七日日本側 巡視船が領土標識をたてて帰った 去る十日韓国当局は「日本の領土侵害を調査するため砲派遣した」と発表、日本側の領土標識も取除かれたとの情報もあり 注目されていた。海上保安廳三田警備牧蕤監談 外務省にまかせてあり 当方としてはできるだけ現地で のトラブルを避けつしょう戒 をつけて行くだけだ。さらに 巡視船を同島に派遣する計画は 現在のところない。

左舷、ボートに命中 乗組員には死傷者なし

くら乗船員談さ八時ころ竹島を三〇〇離れたとき 然の上からピュンくと五、六 小銃弾が飛んできて船の上を かすめた。 そのうち一発が左げん の中央より少し後方に、また一発 はげんに沿ったボートに命中し たが乗組員には死傷なかつた。なお「へくら」は現在保上庁裏に横付けされているが、問題の 左げん部はほとんど弾が当った ことは判らぬほどだが、ボート に命中した弾は左側をかすめて ワイヤーにくいこんでいる。

出漁、解決まで無理 重田県水産商工部次長

ではさきに竹島出漁を許可 したが、韓国漁船の砲によつて同島の帰属問題はますく紛糾し てきているので、今後同出漁につ いての動向が注目されるが、これ について重田県水産商工部次長は 次のように語った。発砲事件が事実とすれば出漁し てみてもいたずらに紛争を起す だけだから中央で外交上の問題 ある程度解決されない限り実 際に出漁は無理ではないか。

外務省嚴重な抗議 領土侵害など責任追及

外務省は竹島周辺で韓国漁船が海 上保安庁巡視船に発砲した事件を 重視、十三日午後海上保安厅保官 からを隠した結果、韓国代 表部を通じ韓国政府に抗議を 行った。竹島は歴史的にも明らかに日本 領土であるが、韓国はこれを認 めず、自国領土であると主張し てる五月二十八日韓国漁民が 同島に上陸し、不法漁業を行つ たのをはじめ、その後も引続いて同海域で無断操業していた。 このため外務省は六月二十六日 韓国政府に文書をもつて抗議し たが、回答がないばかりかさる 八日には韓国議会は韓国政府に たいし日本政府の韓国領犯に抗議するよう要求した決議を 場一致で採択、さらに十日には 韓国当局が竹島に砲を 調査させることになつたと発表するなど強い態度を示している。外務省は日韓会の開催中でもあ りな態度をとってきたが、 今回の発砲事件については極めて 強硬な態度を示しており、 とくに つぎの三点について韓国政府 任を追及するといつている。

  • 日本領土、領海の侵害。
  • 日本領海における不法漁業
  • 発砲による損害の賠償

任者の処罰 将来の保証。