イランとの経済的・エネルギー的な結びつき
中国、イランとイスラエルの紛争に介入する用意があることを示唆
中国の習近平国家主席は、イスラエルによるイランへの軍事行動に強い懸念を表明し、さらなるエスカレーションが地域の安定と国際社会の利益を損なうと警告しました。
- 習近平主席はカザフスタン・アスタナでの中央アジア首脳会議で、「イスラエルの軍事作戦が中東の緊張を著しく悪化させた」と述べ、主権・安全・領土一体性を侵害するいかなる行動にも反対する姿勢を示しました。
- 全ての関係国に自制を求め、「軍事衝突は問題解決の道ではない」と強調しています。
- 中国はこれまで中東で中立的立場を取ってきましたが、イランとの経済的・エネルギー的な結びつきが深まっており、特にイラン産原油への依存度が高いことから、紛争の拡大は中国のエネルギー安全保障にも直結します。
- 習主席は「中国は全ての関係者と協力し、さらなるエスカレーションを防ぎ、地域の平和と安定回復に建設的な役割を果たす用意がある」と述べ、仲介や停戦実現への意欲も示しています。
- ただし、中国の影響力や実際の介入能力には限界があり、外交的な働きかけは主に自国の経済的・地政学的利益を守る意図が強いと専門家は指摘しています。
- 中国はイラン寄りの立場を強めつつも、米国などとの対立激化や中東での自国イメージ損失を避けるため、慎重なバランス外交を続けています。
まとめ
- 中国はイラン・イスラエル紛争の激化に強い懸念を示し、外交的解決と自制を訴えていますが、実際の介入には慎重で、自国のエネルギー安全保障や国際的立場を重視した対応を取っています。
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