カナダとフェンタニル

カナダが「麻薬汚染」で“ゾンビタウン”化…フェンタニル流通で5万人超死亡

  • “麻薬”を合法的に摂取可能な施設も

カナダの「麻薬汚染」・フェンタニル危機の現状

  • カナダ、特にブリティッシュコロンビア州バンクーバーのダウンタウン・イーストサイド地区では、深刻な薬物問題が続いています。ここは「北米最大の麻薬汚染地域」とも呼ばれ、約5,000人の薬物中毒者が生活し、路上ではフェンタニルなどの強力な合成麻薬の使用が日常的に見られます。

フェンタニルによる死者数と社会的影響

  • 2016年以降、カナダ全体で5万人以上が薬物の過剰摂取で死亡しています。
  • 2023年のブリティッシュコロンビア州では、違法薬物による死者が過去最悪の2,511人に達し、その85%以上で違法フェンタニルが検出されました。
  • 死亡者の多くは30~59歳の男性で、10~50歳の死因の1位が違法薬物となっています。

「ゾンビタウン」化の実態

  • バンクーバー中心部から車で10分ほどのイーストサイド地区では、前かがみで動かない人や、路上で倒れ込んだまま動けない人、使用済みの注射器が散乱するなど、まさに「ゾンビタウン」と形容される光景が広がっています。

カナダ政府の対策と「合法的摂取施設」

  • カナダ政府とBC州は、薬物使用者の非犯罪化や「ハーム・リダクション(害の軽減)」政策を進めています。これは薬物使用を完全にやめさせるのではなく、健康被害や社会的損失を最小限に抑えることを目的としています。
  • 2023年から、BC州では18歳以上の成人が2.5グラムまでの違法薬物を個人使用目的で所持しても逮捕・起訴されず、健康情報や治療サポートが提供される仕組みになりました。
  • 監督付き薬物使用施設(セーフ・ポイントなど)では、看護師の監視下で違法薬物を摂取でき、清潔な注射器や過剰摂取時の救命措置も用意されています。

政策への賛否と課題

  • このような非犯罪化や監督付き施設は、依存症患者が医療や支援にアクセスしやすくなる一方、フェンタニルなどの強力な薬物の蔓延で、公共の場での使用増加や治安悪化への懸念も強まっています。また、薬物問題の根本解決には「予防」と「治療」が不可欠という指摘もあり、政策の見直しを求める声も上がっています。

まとめ

  • カナダでは、フェンタニルを中心とした薬物危機が深刻化し、過去10年で5万人超が死亡しています。非犯罪化や監督付き摂取施設など「ハーム・リダクション」政策が導入されているものの、強力な薬物の蔓延や治安の悪化など新たな課題も浮上し、社会全体での対応が問われています。

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