AIの開発や運用に不可欠な半導体、データセンター、エネルギーインフラの成長は続く

AI以外なら何を買うべきか?ゴールドマン・サックスのトップトレーダーが他に見出した「希少性」

  • What To Buy If Not AI? Top Goldman Trader Finds ‘Scarcity’ Elsewhere

ゴールドマン・サックスのカスタム・エクイティ・バスケット部門のグローバル責任者、ルイ・ミラー氏の分析によると、市場の関心がAI以外の投資先(低モメンタム銘柄や消費財、ヘルスケアなど)へシフトする兆候(ファクターリスクの上昇)が見られるものの、長期的・構造的なトレンド(シクリカルに対するセキュラーの優位性)や個人投資家の熱狂は当面続くと予想されています。

現時点で本質的な収益の成長(モメンタム)が存在するのは、依然としてAI分野、特にそのインフラを支える「つるはしとシャベル(picks and shovels)」の領域であると指摘されています。

市場の現状と懸念されるリスク

市場では、特定の要因(ファクター)に資金が集中することへの警戒感が高まっています。

具体的には、これまで急上昇してきたAI関連株に下落リスクを警戒する動き(プットオプションの買い)が出る一方で、出遅れていた低モメンタム銘柄や消費財セクター、あるいは新たな成長ストーリー(ファイザーのワクチン2.0のようなテーマ)を期待するヘルスケアセクターなどへの買い(コールオプションの買い)が見られます。

ゴールドマン・サックスの専門家による分析

こうした市場の揺らぎ(ファクターリスク)に対し、ルイ・ミラー氏は以下の見解を示しています。

景気循環に左右されやすい「シクリカル銘柄」よりも、時代の構造的な変化を捉えた「セキュラー(構造的)銘柄」が指数(インデックス)を牽引する構図は、年間を通じて維持される可能性が高いと考えられています。

また、足元の個人投資家による熱狂的な買い(ユーフォリア)は、短期的に抑え込むことが難しいほど強い勢いを持っています。

結論としての投資の焦点

「AI以外に何を買うべきか」という問いや、他セクターへの分散を模索する動きはあるものの、企業の業績成長(純利益の伸び)という最も確実な根拠が存在する場所は、依然としてAI分野にあります。

特に、AIのテクノロジーそのものよりも、AIの開発や運用に不可欠な半導体、データセンター、エネルギーインフラなど、いわゆる「つるはしとシャベル(周辺基盤)」ビジネスが、確実な収益源として市場における最大の強み(希少性)を維持していると結論付けられます。

 

 

ヤルデニは2025年末の決断でMAG7を避け、イコールウェイト・XLI・XLF・XLV・アメリカ以外に分散投資をした

エド・ヤルデニは景気の裾野の広がりに着目

エド・ヤルデニ氏が2025年末に示した投資判断は、市場の極端な集中リスクを回避し、景気の裾野の広がりに着目した戦略です。

巨大IT企業群である「マグニフィセント・セブン(Mag7)」への依存を減らし、均等重み付け(イコールウェイト)ETF、資本財、金融、ヘルスケア、そして米国以外の国際株式へと資金を分散させた背景には、市場の構造変化に対する先見性があります。

Mag7を避けた背景とイコールウェイトの採用

2025年まで市場を牽引してきたMag7は、時価総額が巨大化しすぎたため、指数全体が少数の銘柄の動向に左右されるリスク(集中リスク)が高まっていました。

ヤルデニ氏はこれを嫌気し、時価総額に左右されない「イコールウェイト(均等配分)」の株価指数(S&P 500等)を選択しました。これにより、一握りの巨大ハイテク株の調整リスクを和らげつつ、他の多くの構成銘柄の上昇益を享受する体制を整えました。

循環物色を捉えるセクター選定(XLI・XLF・XLV)

ハイテク一辺倒からの脱却として選ばれたのが、以下の3つのセクターです。これらは、AIブームの影で割安に放置されていたり、堅実な業績拡大が見込まれたりする領域です。

  • XLI(資本財セクターETF):
    米国内の製造業回帰やインフラ投資、工場オートメーション化の恩恵を受ける企業群です。
  • XLF(金融セクターETF):
    金利環境の安定や経済活動の活発化に伴い、銀行や保険、カード会社などの収益改善が期待される分野です。
  • XLV(ヘルスケアセクターETF):
    高齢化という確実な人口動態の恩恵を受け、景気動向に左右されにくい安定した収益基盤を持つセクターです。

米国以外(グローバル市場)への分散

ヤルデニ氏のもう一つの重要な決断は、投資の目を「米国以外」の市場にも向けた点です。

米国市場全体のバリュエーション(割高感)が歴史的な高水準に達する中、ヨーロッパ、日本、あるいは新興国市場など、相対的に出遅れており割安感がある地域の株式を組み入れることで、地理的な分散と新たな成長機会の取り込みを狙ったものと考えられます。

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