沖縄県ワシントン事務所 当時の沖縄県知事・翁長雄志の主導で設立

米軍普天間基地の辺野古移設反対の意向など、沖縄の立場をアメリカに伝えるための拠点

沖縄県ワシントン事務所 手続き不備で閉鎖

  • 設立・運営の重大な問題が判明

概要

  • 沖縄県がアメリカ・ワシントンD.C.に設置していた「沖縄県ワシントン事務所」が、手続き上の不備や運営上の重大な問題を指摘され、2025年6月13日までに閉鎖されました。県は現地事務所の賃貸契約を解除し、退去も完了しています。

設立の経緯と目的

  • この事務所は2015年4月、当時の翁長雄志知事のもとで設立されました。主な目的は、米軍普天間基地の辺野古移設反対の意向など、沖縄の立場をアメリカ側に直接伝えるための拠点とすることでした。

発覚した問題点

  • 沖縄県は営業実態のない株式会社(Okinawa Prefecture DC Office, Inc.)を設立し、その運営に必要な文書や手続きが不十分でした。
  • 具体的には、株式会社設立時の知事決裁がなかったこと、定款や出資に関する正式な文書が残されていなかったこと、県職員が地方公務員のままアメリカのビザを取得していたことなどが問題視されました。
  • 駐在職員の就労ビザ取得の際に、事実と異なる書類がアメリカ政府に提出されていたことも判明しています。

調査と閉鎖決定までの流れ

  • 2024年秋以降、県議会でこれらの問題が明るみに出て、県が設置した調査検証委員会は2025年3月、「複数の重大な瑕疵が存在し、違法となる可能性も否定できない」と結論付けました。
  • 県議会では、事務所の運営費全額を削除し予備費に移す修正案が可決され、閉鎖が事実上決定しました。
  • 2025年6月13日までに、現地法人の解散手続きおよびオフィスからの退去が完了しました。

今後の対応

  • 玉城デニー知事は「体制を立て直し、再開を目指したい」との意向を示していますが、議会の理解を得られるかは不透明です。県は今後、専門家に相談しながら新たな設置方法や体制を検討する方針です。

まとめ

  • 沖縄県ワシントン事務所の閉鎖は、設立・運営における重大な手続き不備と行政上の問題が原因でした。今後の再設置には、透明性と適正な手続きが強く求められています。

「疑惑のデパート」沖縄県の米ワシントン事務所がついに閉鎖

  • 真相解明は道半ば

沖縄県ワシントン事務所閉鎖の経緯と問題点

概要

  • 沖縄県が2015年に米軍基地問題への対米ロビー活動の拠点として設置した「沖縄県ワシントン事務所」は、2025年6月、度重なる不適切な行政運営や法的瑕疵が発覚した末に閉鎖されました。

主な問題点

  • 営業実態のない株式会社を米国で設立し、その法人を通じて駐在職員の就労ビザを取得する際、実際と異なる内容の書類を米政府に提出していた。
  • 駐在職員が「日本の沖縄県庁に直接雇用されない」とする虚偽の記載がビザ申請書にあった。
  • 事務処理のずさんさや決裁手続きの欠如、不適正な支出が長年にわたり続いていた。
  • 指揮系統が機能せず、現地駐在職員や委託業者任せの運営となっていた。
  • 公務員の兼業禁止規定に違反した形で会社役員に就任していたことも判明。

閉鎖の決定とその後

  • 2025年3月、県の調査検証委員会が「現状のままの運営は困難」と最終報告書を提出し、閉鎖を勧告。
  • 県議会は同年3月28日、本会議で新年度予算から事務所運営経費を全額削除する修正案を可決し、玉城知事も再議を断念して閉鎖が決定。
  • 6月13日までに法人解散手続き、ビルからの退去、外国代理人登録(FARA)の抹消が完了。

疑惑解明は道半ば

  • 県議会の百条委員会で関係者の参考人招致が続いているが、「関与していない」「知らなかった」との証言が相次ぎ、実態解明は進んでいない。
  • 保守系県議や自民党県連幹部は、資料散逸への懸念や証人喚問への切り替えを主張し、さらなる追及姿勢を示している。

今後の課題

  • 事務所運営に関する資料の全面開示や、関係者の証人喚問による真相究明が求められている。
  • 県の統治能力や責任体制の見直しが不可欠とされている。
  • まさに「疑惑のデパート」と言われるほど多くの問題が噴出し、その全容解明は依然として「道半ば」です。

参考:主な疑惑一覧

主な疑惑・問題点 内 容 ・ 指 摘 事 項
虚偽書類によるビザ取得 実態と異なる内容で米政府にビザ申請書類を提出
不適正な事務処理・支出 決裁手続きの欠如、不適切な経費支出
指揮監督の不在 駐在職員・委託業者任せの運営、監督不十分
公務員兼業禁止違反 県職員が許可なく会社役員を兼務
資料散逸・説明責任 関係資料の散逸懸念、県民への説明・資料開示要求

沖縄県ワシントン事務所問題は、県政のガバナンスと説明責任が問われる重大な行政不祥事として、今後も県議会や監査機関による徹底的な調査・追及が続く見通しです。

沖縄県ワシントン事務所と玉城デニー知事

ワシントン事務所の経緯と問題点

  • 沖縄県ワシントン事務所は、2015年に米軍基地問題の対米ロビー活動拠点として設立されましたが、設置・運営における法的な不備や不適切な事務処理が次々と発覚し、2025年に閉鎖されました。主な問題点は、実態のない株式会社を通じた設置や、ビザ申請時の虚偽書類提出、決裁手続きの不備、監督体制の欠如などです。

玉城デニー知事の対応と姿勢

  • 玉城デニー知事は、県議会が事務所運営費を予算から全額削除したことを受けて、事務所の閉鎖を決断しました。
  • 知事は「もう一度精査し、どこから見ても曇りのない状態でスタートできるように取り組む」と述べ、体制を立て直した上で合法的な手続きを経て再開を目指す意向を示しています。
  • ただし、監査委員や県議会からは、長年にわたる不適切な運営を看過してきた責任やガバナンスの問題について、玉城県政の責任も問われています。

今後の見通し

  • 玉城知事は「ワシントン駐在の役割を改めて検討し、米国の法律専門家の助言を得て新たな体制を構築したい」と再開への意欲を示していますが、FARA(外国代理人登録)などの再取得が容易ではないとの指摘もあり、再開の見通しは不透明です。
  • 県議会では、さらなる資料開示や証人喚問による真相解明が求められており、玉城県政の説明責任が引き続き問われる状況です。

まとめ

  • 玉城デニー知事はワシントン事務所の閉鎖を決断し、再開に向けて体制の立て直しを表明していますが、不適切な運営の責任や再発防止策、再開の可否など多くの課題が残されています。

玉城デニー知事の責任

1. 行政責任とガバナンスの問題

  • 沖縄県ワシントン事務所の設立・運営には、法的な不備やずさんな事務処理が長年にわたり続いていたことが明らかになっています。監査委員会や調査検証委員会は、県庁内での十分な検討や指揮監督が行われていなかった点を指摘しており、これを看過してきた玉城デニー知事の責任は大きいとされています。

2. 知事自身への批判と指摘

  • 複数の報道や社説では、玉城知事自身が違法状態の事務所を維持し、閉鎖が決まるまで適切な対応や真摯な反省の姿勢が見られなかったと批判されています。知事としてのガバナンスや説明責任が問われており、「違法な状態で事務所の存続を目指したこと自体が知事としての資質を欠いている」との厳しい指摘もあります。

3. 事務所閉鎖後の対応

  • 県議会が事務所運営費を予算から削除し、閉鎖が決定した後も、玉城知事は「体制を立て直し、再開を目指す」との意向を示していますが、まずは違法状態や不適切な運営の責任を明確にし、県民への説明と資料の全面開示が求められています。

4. 今後の課題

  • 違法状態や不適切な運営の全容解明
  • 関係者の責任明確化と処分
  • 県民への説明責任の履行

これらの課題に対し、玉城知事自身も責任を持って対応すべきだとする声が強まっています。

この事務所は誰が開設した?翁長雄志

沖縄県ワシントン事務所は、2015年に当時の沖縄県知事・翁長雄志(おながたけし)氏の主導(肝煎り)で設立されました。翁長氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対など沖縄の立場を米国に直接伝えるため、知事選の公約として事務所設置を掲げ、当選後に実現させたものです。

玉城デニーは翁長雄志の後継者

はい、玉城デニー氏は翁長雄志(おながたけし)前知事の後継者です。
翁長知事が2018年に急逝した後、その遺志を継ぐ形で「オール沖縄」勢力が玉城氏を知事選候補として擁立し、玉城氏は圧倒的な支持を得て新知事に当選しました。
また、翁長氏自身が生前に玉城デニー氏を後継候補として指名していたことも報じられています。

沖縄を売った男

仲井眞さんこそが県民の幸せと発展を考えて最善の努力をした人。「売った男」でないことは歴史が証明するはずです。菅義偉官房長官。<本書より>

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内容紹介

  • 本書は、沖縄の米軍基地問題をめぐる政治的葛藤と「売った男」と呼ばれた前沖縄県知事・仲井眞弘多氏の決断、その裏側を描いたノンフィクションです。
  • 仲井眞氏は、2013年に辺野古の埋め立てを承認し、政府から毎年3,000億円規模の予算を引き出した一方、「沖縄の心をカネで売った」と批判されました。
  • 歴代知事が基地問題の議論を避けてきた中で、県民の反発を承知で承認に踏み切った仲井眞氏の葛藤や、政府との交渉の舞台裏を、本人や関係者、歴代防衛大臣、菅義偉官房長官らへの取材を通じて明らかにしています。
  • また、翁長雄志知事(当時)の反基地運動や、沖縄メディアとの関係悪化、基地建設阻止の難しさなど、沖縄の現実と政治の複雑な力学も描かれています。