概要
- ユヴァル・ノア・ハラリによるベストセラー『サピエンス全史』の続編にあたる書籍です。本書は人類の過去ではなく、これから人類がどこへ向かうのか、特にテクノロジーによって人類がどのように変化しうるのかに焦点を当てています。
主なテーマと内容
人類の新たな目標
- 飢饉・疫病・戦争といった長年の人類の課題が技術の進歩によって減少しつつある現代、人類は「不死」「幸福」「神性の獲得」といった新たな目標に向かい始めている。
ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ
- 「ホモ・デウス」とはラテン語で「神のヒト」を意味し、人類が自らをアップグレードし、老化や死を克服し、動物や人間そのものを設計・創造する「神のような能力」を得ようとする未来像を描いています。
テクノロジーと未来社会
- 生物工学、サイボーグ工学、AI(人工知能)などの技術が進化することで、人間の身体や心、社会の構造そのものが大きく変わる可能性が論じられています。
- 特にAIの発展によって「多くの人が労働市場から追い出され、“無用者階級”となる」リスクや、バイオテクノロジーによる「生物学的な不平等」の出現といった、これまでにない課題が生まれると警告しています。
思想・哲学的な問い
- 本書は「未来予測」というよりも、テクノロジーが人類にもたらす恩恵と困難、そして人間の価値や意味がどう変わるのかについて多角的に考察しています。
評価と特徴
- 『サピエンス全史』が人類の過去を描いたのに対し、『ホモ・デウス』は未来を見据えた挑戦的な内容です。
- 歴史や現代科学、哲学を縦横無尽に参照しつつ、現代社会や技術の進展がもたらす変化を鋭く分析しています。
- ビル・ゲイツやカズオ・イシグロなど著名人からも高く評価されており、「人類史と先端テクノロジーを見事に融合した傑作」と評されています。
まとめ
- テクノロジーが人類の未来をどう変えるのか、そして私たちはどこへ向かうのかを問う一冊です。人間の本質や社会の在り方、幸福や死の意味までを問い直す、知的刺激に満ちた書籍です。