米中で駐日大使がSNSで激論 日本海産物・六四事件・ハーバード留学生問題で対立
米中駐日大使のSNS激論:要点まとめ
概要
- アメリカと中国の駐日大使がSNS上で、日本産海産物の禁輸、天安門事件(六四事件)、ハーバード大学の留学生問題を巡り激しい論争を展開。
- この応酬は日米中3国間の緊張と複雑な関係を浮き彫りにした。
主な論点とやり取り
1. 日本産海産物の禁輸問題
- 日本政府は福島第一原発の処理水放出問題を受けて停止していた日本産水産物の中国向け輸出について、再開に向けた手続きを開始したと発表。
- 米国グラス大使は「中国(中共)が日本産海産物に対する不合理な禁輸を解除すれば、中国の消費者もその安全性を体感できる」とSNSで発信。
- さらに「日本和牛の禁輸は依然続いている」と指摘し、中国人の日本移住が加速している現状にも言及。
2. 六四天安門事件
- 天安門事件36周年を前に、グラス大使は「自由と民主主義は常に闘う価値がある」とし、「タンクマン」の写真をSNSに投稿。米国務長官の「中共の弾圧を忘れない」との発言も拡散。
- 中国の呉江浩大使はこれに対し、米国の警察による強制執行の映像を投稿し、米国の民主主義を皮肉った。
3. ハーバード大学留学生問題
- 米国がハーバード大の留学生・訪問学者の受け入れ資格を取り消すと発表し、中国は反発。中国は香港やマカオの大学がハーバード大留学生を好条件で受け入れると即座に発表した。
- 呉大使は「グラス大使は日中間の貿易や人的交流よりも、米国のハーバード大留学生問題に目を向けるべき」と反論。
- グラス大使は「米国は学びたい学生を歓迎する」と応じ、天安門事件後に米国へ渡った中国人学生にも言及した。
背景
- 日本の中国人移住者は増加傾向にあり、2024年末時点で約87万人、2026年には100万人を超える見通し。
- 米中間では留学生ビザの取り消しや入国制限など、教育分野でも対立が激化している。
- このSNS上の論争は、経済・歴史認識・人的交流など多岐にわたり、日米中の関係が一層緊張している現状を象徴している。
知らないと恥をかく世界の大問題16 トランプの“首領モンロー主義時代”
- 池上彰による人気時事解説シリーズ「知らないと恥をかく世界の大問題」の最新第16弾『トランプの“首領モンロー主義時代”』は、2025年6月10日発売予定の新書です。本書では、アメリカの「第2期トランプ政権」がもたらした世界の大転換を中心に、歴史的背景を交えながら、現代の国際情勢をわかりやすく解説しています。
主な内容とテーマ
- 古典的帝国主義の再来・・・トランプ政権が古典的帝国主義の復活を決定づけ、アメリカ、ロシア、中国といった強権国家による熾烈な縄張り争いが激化。世界が「弱肉強食の時代」へと回帰しつつある現状を分析。
- 現代の大問題と日本の対応・・・予測不能なトランプの行動が国際社会に混乱をもたらす中、日本はどのように対応すべきか、世界と日本が直面する課題を解説。
- 歴史的背景と最新情勢の解説・・・歴史の流れを踏まえつつ、現代の国際政治や経済、社会の動向を池上彰が平易な言葉で説明しています。
目次構成
- 弱肉強食のジャングルに戻る世界
- 福音派とテクノ・リバタリアンの“ハイブリッド国家”へ
- EUの試練
- 変わる中東のパワーバランス
- 転機を迎えた中国
- 核軍縮と逆行する世界
- 内憂外患の日本
- 「真理はわれらを自由にする」
- おわりに
特徴
- 世界の大きな構造変化を俯瞰しながら、各地域・各国の動向と日本への影響を具体的に解説。
- 歴史的な視点と最新の国際ニュースを組み合わせて、複雑な問題を読み解く。
- 時事問題に関心がある人や、国際情勢を基礎から理解したい人にとって必読の一冊。