日本の研究環境が諸外国に比べて劣っている

技術

 

2025年10月12日 ノーベル賞ダブル受賞快挙の裏にある課題 崩れる日本の研究の足場

日本人研究者2人がノーベル賞を相次いで受賞し、日本の科学界は盛り上がっていますが、その背景には国内の研究環境が諸外国に比べて劣っているという課題があります。

2004年の国立大学法人化以降、国立大学への運営費交付金が2004年度の約1.24兆円から2023年度には約1.08兆円に約13%減少し、教員が研究に専念できる時間も減少しています。教員の研究時間は法人化前の2002年度に46.5%だったのが2022~2023年度には32.2%まで低下しました。これは教育負担の増加と大学運営業務の煩雑化、特に会議などによる時間拘束が大きな原因です。

このような環境悪化は研究成果にも影響し、論文の質を示すQ値は主要国の中で最低水準となり、国際的に注目される論文数でも日本は大きく順位を下げています。また、世界大学ランキングでも東京大学が2004年の12位から2025年には32位に後退しており、アジアの他国の大学は着実に順位を上げています。

国立大学法人化は自律的運営と国際競争力強化を目的とした改革でしたが、実際には運営費削減と競争的資金への依存が増え、研究専念の環境が悪化しました。京都大学の林哲介教授は、法人化のメリットもあるが基本予算の危機が深刻で、全体としてはデメリットの方が大きいと指摘しています。

この現状は、ノーベル賞受賞の快挙の裏で、日本の基礎研究の足場が崩れつつある問題を浮き彫りにしています。

 

 

本庶佑「若い人が人生をかけてよかったなと思えるような国になることが重要」

基礎研究というのは無駄なんですよ

無駄の中から大きなものが出てくる

ぜひ基礎研究に長期的な展望でサポートして

若い人が人生をかけてよかったなと思えるような国になることが重要



 

 

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