経口薬の「モルヌピラビル」で入院率を50%低下
2021年10月2日
米製薬大手メルク(Merck)は1日、同社が開発した経口薬の「モルヌピラビル」について、新型コロナウイルス感染症を発症した直後の患者に投与することで、入院率を50%低下させることが臨床試験(治験)で示されたと発表した。米当局に対し、新型ウイルス感染症治療への使用承認を申請するという。
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内服するだけでコロナを治療できる薬
内服するだけで新型コロナウイルス感染症を治療できる薬は、同ウイルスの世界的流行が始まった当初から開発が待ち望まれており、メルクの発表はその目標に向けた大きな一歩として歓迎されている。ただ、専門家は完全な治験データを確認する必要があるとして慎重な姿勢を示しており、使用が承認されたとしても、予防効果の高いワクチンを置き換えるのではなく補完する形で服用すべきだと強調している。
メルク モルヌピラビル
メルクは共同で開発を行う米生物医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクス(Ridgeback Biotherapeutics)と共に、患者775人を対象に後期臨床試験を実施。うち約半数の患者にモルヌピラビルを、残りの患者には偽薬を5日間投与した。すべての患者は検査で新型コロナウイルスへの感染が確認され、発症から5日以内にそれぞれのグループに割り振られた。
29日目までに入院した割合は、偽薬を投与されたグループでは14.1%に上ったのに対し、モルヌピラビルを投与された患者では7.3%と、およそ半分に減少。偽薬投与グループでは8人が死亡したが、モルヌピラビルを投与されたグループでは死者は出なかった。有効性は感染力の強い「デルタ株」を含む変異株に対しても維持され、安全性も高いとされている。
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