日本のHuluは日テレが出資して作ったハリボテ?
Netflixに負けた理由はそれ?
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日テレが買収したHulu 改悪とトラブル相次ぐ
2017年05月22日
映像配信サービスの「Hulu」は、5月17日の動画配信システム全面リニューアルに伴い、著作権保護技術のHDCPを導入した。これに伴い、パソコンをDVIやアナログRGB経由の外部ディスプレイ出力や視聴ができなくなった。Huluでは、HDCP対応ディスプレイにHDMIケーブルで接続するよう呼び掛けている。
パソコンだけでなく、Wii UやPlayStation 3でもD端子やコンポジットケーブルでは映像出力できなくなっており、HDMI出力での接続が必要となる。また、macOSの場合は、ブラウザがChromeでは視聴できず、Safariを利用する。
また、リニューアルに伴い、動画が正常に再生できない事象が発生していることから、確認されているトラブルや対応状況を公開した。動画が途中で止まるのは、クラウドサーバーのトラブルで、対応中。また、Chromecast(第1世代)での視聴にブロックノイズが発生する、Webサイトのコンテンツ表示が遅いなどの問題が発生しており、22日付で障害対応状況を公開し、順次対応状況をアップデートしていく。
日本版Hulu、Microsoftも使用中止を勧告しているSilverlightを新たに導入
2017年05月22日
日本独自のシステムを導入した結果HDCPが必須になり騒動となった動画配信サービス「Hulu」日本版だが、Internet Explorerでの視聴向けにはSilverlightプラグインを使用しているようだ。
SilverlightはMicrosoftが開発したWebブラウザ向けプラグイン技術だが、最近の多くのWebブラウザではサポートされておらず、2015年にはMicrosoftが使用中止を推奨する事態になっている。
また、リニューアルによってHDCPが必須になるという話だったが、IE+SilverlightならHDCPに対応していないディスプレイでも視聴でき、画面キャプチャも行えるという話も出ている。
日本版Huluがドメイン名を「happyon.jp」に変更
2017年05月10日
常識では考えられない判断の理由
- Webサービスにおいて禁じ手ともいえるドメイン名の変更を敢行する理由はどこにあったのでしょうか?
Huluのシステム移行に伴いドメイン名も変更
- 日本版Huluは、5月17日のリニューアルによりドメイン名を「hulu.jp」から「happyon.jp」に変更。これに伴い、ユーザーにブックマークの変更やアプリのアップデートを呼びかけています。
- その一方で、「Hulu」というサービス名は変わらない、という点が物議を醸しています。2014年に日本テレビ放送網の100%子会社であるHJホールディングスが事業を取得した日本版Huluですが、5月17日の大型リニューアル以降もサービス名はHuluのまま。新しいアプリのアイコンも大きくは変わっていません。
- ドメイン名変更の理由としてHJホールディングスは、「システムを全面リニューアルするにあたって、サービスを止めずに移行するため」と説明しています。これまで米国と同じシステムを利用してきた日本版Huluは、5月17日より日本独自のシステムに移行します。一時的にアカウント登録や解約といった機能が利用できなくなるとはいえ、動画配信のサービスは止めずに移行するようです。
- とはいえ、それだけのためにドメイン名を変えるというのは、これまでのドメイン名への投資や検索エンジンからの評価を考えれば、Webの常識では考えられない事態です。
- DNSを書き換えるだけで対応できなかったのか、とも思えてきますが、HJホールディングスでは「Huluのアプリはゲーム機、レコーダー、テレビなど20種類近くのデバイスに展開しており、メーカーとの協業で実現しているため、サービス停止を避けるためにドメイン名を変更した」と説明しています。
ドメイン名変更で考え得るリスクとは
- 新しいドメイン名である「happyon」とは、Happy On(ハッピーオン)を表しており、HJホールディングスによれば「もっとHuluを楽しく使ってもらい、生活をhappyに」という願いを込めたとのこと。
- しかし、ドメイン名としては文字数が「hulu.jp」より3文字長く、わずかな違いではあるものの入力の手間は増え、モバイル画面でURLが見づらくなるなど不利な点があります。
- 「happyon.jp」がドメイン名として特別に価値が高いわけでもありません。HJホールディングスが本ドメインを取得したのは、Whoisによれば2016年6月9日。そこから活用された形跡はなく、検索エンジンからの評価も未知数です。「hulu」という単語で検索しても、当面の間は別のサイトが最上位に来てしまうかもしれません。
- さらに気になるのは、今回のリニューアルに伴い、既存のHuluユーザーはWebブラウザーのブックマーク変更や、サービスへの再ログインが求められる点です。これはフィッシングを誘発するリスクになり得ます。
日テレがHuluを買う理由 Huluが日本事業を売る理由
2014年02月28日
- 背景として、アメリカではもうレンタルを中心としたDVD市場は崩壊し、定額制VODに置き換えられています。作品単品のVODも定着はしていますが、流れは定額制。そこで一人勝ちしているのがNetflixで、ワールドワイドの加入者では、4400万人を越えています。
- Huluはテレビ局・映画会社が共同設立した会社で、アメリカではNetflixに押されています。そこで、有望な市場として日本に参入し、高感度層・ITリテラシーの高い層を中心に日本ではゆっくりと顧客層を増やし、コンテンツの利用拡大にようやく積極的になってきた、という感じです。
- が、NTTドコモが「dビデオ」をはじめた結果、日本での状況が変わってきました。dビデオはすでに約450万人の会員を獲得しており、日本の定額制VODとしてかなり影響力が強くなってきました。ソフトバンクのUULAも100万契約程度あります。
- Huluの会員数は未公表ですが、それらよりかなり少なく、数十万契約以下とみられています。会員獲得原資の多い通信キャリア系に対して、今後の成長の絵が描けない、とされても不思議はないでしょうね。
事業を買った日テレの思惑は?
- テレビ局としては、放送としてのCM収入だけでなく、制作コンテンツからの収入拡大を見込むためには、定額制VODは欠かせない市場です。だが、これまでに幾度となくやってきた「VODプラットフォーム」は失敗続きで、うまくいっていない。
- いまから自社で設備投資をしてプラットフォームを作るよりは、技術的に確かでブランドもあるHuluを買収し、時間とノウハウを買うのが得策、と判断したのでしょう。
売ったHulu側は?
- 自社だけでは会員獲得と事業拡大が難しい、と判断しての売却でしょう。日本では圧倒的に、テレビ局系列の企業がコンテンツを押さえているので、彼らとの連携強化は必須。そこで、日本テレビ側から買収の話があったので乗った、というところでは。
今後の展開はどうなる?
- ドコモ、ソフトバンクといった通信キャリア系と戦うには、テレビ局のような資本とコンテンツがあるところが前面に出る方が有利なのは事実です。ただし、日テレ傘下になることで「非日テレ系コンテンツ」がどうなるかが問題。Huluにコメントを求めたところ、コンテンツとしてはこれまで通り、他のテレビ局のものも扱う方針だそうなので、日テレだけの存在に固めたい、と思っているわけではなさそうです。
- しかし、今後も他局が「進んでHuluに提供したい」と思うか否かは、買収後の運営方針次第、としか言えませんね。他局としてはむしろ、複数の定額制VODサービスに並列にコンテンツを提供する流れを加速することになるかもしれません。