2025年10月08日 音声認識AIで人手不足を解消へ、レストラン業界が注目する「Slang AI」の実力
米国のレストラン業界で導入が進む音声認識AI「Slang AI」の活用事例と効果を紹介している。
Slang AIは電話によるレストラン予約を自動化するプラットフォームで、オンライン予約システムを置き換えるのではなく補完し、24時間365日対応・従業員の電話対応時間削減・顧客情報の即時提供によるホスピタリティ向上を実現する。
多くの顧客はいまだ電話予約を好む傾向があり、団体やビジネス利用・観光客・車内からの予約などに対応できる点が強み。導入先では、同時に数百件の電話が来ても機会損失を防ぎ、生産性と収益を最大化できた事例が報告されている。
課題としては1店舗あたり月額約450ドルとコスト高な点があるが、受付スタッフが店頭顧客に集中できるなどサービス品質向上に寄与。人手不足に悩む飲食業では従業員削減が目的ではなく、業務効率化と顧客満足度の向上が導入理由となっている。
今後は中小規模店舗でも導入事例が増え、音声対応AIが業界全体で普及する可能性が高いとされる。
2025年08月31日 タコベル、AI導入を縮小 1万8千杯の水注文“いたずら”でシステムダウン
米国の大手ファストフードチェーン「タコベル」は、AI技術を活用したドライブスルー注文システムの導入を当面縮小すると発表した。原因は、システムの誤作動や一部顧客による悪用が相次いだためで、特に「1万8,000杯の水カップ」を注文するという悪ふざけが発生し、システムがクラッシュしたと報じられている。
同社は昨年、AIによる音声注文システムの拡大を発表していたが、導入後には「AIが同じ飲み物の追加を何度も求め続ける」「注文内容を誤認識する」などの苦情も寄せられた。タコベルの最高デジタル・技術責任者デイン・マシューズ氏は「AIには驚かされることも多いが、人間の方が適している場面もある」と述べ、特に混雑時には人間オペレーターの介入が必要だと認めた。
現在、タコベルはAI導入の「適切な場面や時間帯」を再定義し、店舗ごとに活用のガイドラインを整備中だという。マシューズ氏は「現場スタッフに対しても、AIを使うべきタイミングや監視方法を指導していく」と語っている。
背景には、マサチューセッツ工科大学(MIT)の調査報告があり、生成AIの企業導入のうち「急速な収益成長に結びついたケースは全体の5%に過ぎない」ことが指摘されている。同様の問題は他のチェーンでも起きており、マクドナルドもAIが注文を誤解して「アイスクリームにベーコンを追加」「誤って大量のチキンナゲットを加算」する事例を受け、導入を中止している。
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