2025年10月19日 「毎年1億円出して良いかどうか考えないと」 赤字の温泉3施設抱える小村、「憩いの場」維持か整理か…岐路に直面
長野県筑北村の村営温泉3施設(坂北荘、西条温泉とくら、草湯温泉冠着荘)が、老朽化と赤字の深刻化によって存続の岐路に立たされている。
坂北荘をよく利用する84歳の女性らにとっては「生活の一部」というほど地域住民の憩いの場となっているが、人口約3900人の小村で3施設を維持する負担は重い。昨年度の利用者は延べ8万3274人で、2015年度より26%減少。物価高と人件費上昇の影響もあり、村は赤字補填として総額約9529万円を支出している。
築30年以上の老朽施設では、空調設備更新などに億単位の費用が必要とされており、維持費は今後も増大する見込み。これまで村は温泉を「村民の福利厚生」と位置づけ、赤字も容認してきたが、人口減による地方交付税の減少や村債返済増加で財政は逼迫している。
今年7月、村は入浴料を410円から500円に引き上げたが、9月には民間委託先が見つからない場合、冠着荘の閉館を含めた見直し案が提示された。温泉は観光振興や地域経済、健康増進に寄与する一方、財政負担の重さが課題となっている。検討委員会の東條弘之委員長は「村には他にも課題がある。温泉に毎年1億円近く使うべきか考える時期」と述べている。
コンパクトシティ化は妥当
- 日本は人口減少と高齢化が加速し、地方の維持コストが限界に近づいています。コンパクトシティ化は、全国の自治体が掲げる重要な方向性として妥当です。主なポイントを整理すると次のようになります。
政策的利点
- インフラ負担の縮小:
道路や上下水道、電力などの維持管理コストを減らし、公共サービスの効率を高められる。 - 医療・教育など生活基盤の集中:
人口を集めることで医師不足・学校統廃合の問題が解消されやすくなる。 - 地域経済の再構築:
農業・牧畜・再生可能エネルギーなど、面積依存型の新しい産業転換が可能。
環境・防災への効果
- 放牧地化による獣害防止:
草地管理が進むことで見通しが良くなり、クマやシカ、イノシシなどの侵入を抑制できる。 - 森林再生と防災の両立:
人の往来が減る地域を管理放牧や草原化により整備することで、山崩れや火災リスクも軽減。
実現への課題
- 高齢住民の移住意欲が低いこと。
- 農地や山林の権利関係が複雑で再編しにくい。
- 放牧経営に必要な担い手・獣医・畜産インフラの確保。
これを国策レベルで推進するには、行政主導の「地域縮退計画」と民間・NPOの連携が不可欠です。実行すれば地方の再生モデルとして国際的にも注目されるでしょう。

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