運動・入浴方法・食生活ごときで、ワキガが改善するわけがない
一時的に良くなった気がするかもしれないが、根本的には治らない。
まるで「真実」であるかのように語る人がいる
「ちょっと汗臭いだけの人」が「真性ワキガの人」と同じ土俵で語り合っている。
だから話が錯綜する。
体質や遺伝が原因
物理的に解決するしかない。
〝ベタベタ汗〟は男には足手まとい エアコンの普及で汗をかかない生活 男のアンチエイジング術
[50歳からでも遅くない 男のアンチエイジング術]
■汗をかくポイント
☆汗には良い汗と悪い汗がある
☆湯船につかる習慣を身につけよう
☆サウナは男性におすすめの汗腺トレーニング
美しく健康に年を重ねるために不可欠な「メンズ美容」。時間・労力・コストをかけることなく、50歳からでも手軽に始められる「メンズ美容」を、毎週月曜日にお伝えします。
ベッタリかいた汗が臭う。これは美容的にもよくありません。汗腺には2種類あることはご存じでしょうか。全身に分布する「エクリン腺」から出る汗は、主に体温調節のために分泌され、ほとんど無臭です。99%が水で、ほかにナトリウムなどのミネラル分や乳酸、タンパク質などが溶け込んでいます。一方、「アポクリン腺」は脇の下や乳首、下腹部などの毛穴にあり、脂質やタンパク質などニオイの元となる成分を多く含み、白く濁っています。
基本的に、運動したときや、からいものを食べたときにエクリン腺から出るサラサラした汗は〝よい汗〟です。一方、運動不足や食生活の乱れなどが影響して汗腺の機能が低下すると、成分の再吸収がうまくできず、ベッタリした汗になることがあります。これが〝悪い汗〟で、ニオイも強くなります。
近年、エアコンの普及で汗をかかない生活が一般的です。テレワークが増えてから、ますますその傾向は強くなっています。しかし、普段から汗をかかない生活が続くと汗腺の働きがにぶり、体の体温調整がうまくできなくなります。そうしてエクリン腺が衰えると、限られた部位のアポクリン腺から集中して汗が出るため、ニオイの強い汗となってしまうのです。
汗腺を正常に機能させるために、汗腺の活性化に役立つトレーニングをしてみましょう。まず、入浴時の〝シャワーだけ〟をやめること。湯船にきちんとつかって、体中のエクリン腺からじんわりと汗の粒が出るまで入浴してみましょう。さらに、40度の湯に20分つかることで出る「ヒートショック・プロテイン」は紫外線による細胞のダメージや炎症を防ぎ、傷ついた皮膚のDNA修復を促進してくれるほか、コラーゲンの質を向上させるなど、肌を若々しく保つ効果も期待できます。
精神的な興奮でアドレナリンが分泌されると、アポクリン腺からニオイの強い汗が出るので、できるだけリラックスした状態で汗をかきたいです。例えばヨガなど、ゆるやかな運動でかく汗がそうです。男性の場合、運動にハマると過度なトレーニングや無謀な鍛錬に走りがちですが、逆に体内の活性酸素を増やしてしまうので、美容や健康面でマイナスに働くことがあります。
おすすめは近年、人気のサウナです。じっくりと体を温めるため、汗腺トレーニング向けといえます。また、休日に20~30分、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動もよいでしょう。ゴルフをする人は、なるべくカートに乗らず歩く量を増やすのもいい方法です。18ホールを回れば、1万5000歩ほど歩くはずです。私の場合、意識しなくてもたくさん歩くハメになっていますが…。
■西嶌暁生(にしじま・あきお) 医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。