中国の貧困層が5億人超、根本原因は政治体制にあり

中国の貧困層が5億人超、根本原因は政治体制にあり

1. 中国経済の現状と内需拡大政策

  • 中国共産党は近年、国内消費(内需)拡大による経済立て直しを目指している。
  • しかし、国民の大きな割合(約5億人)が貧困層であり、経済の先行きは依然不透明。
  • ゼロコロナ政策の影響で景気は悪化し、失業率の高止まりや所得減少が続く。
  • 2024年末、中国政府も「内需不足」を公式に認めた。

2. 貧困層の実態と統計

  • 中国の家計所得はGDPに占める割合が低く、国民の多くが「豊か」ではない。
  • 国際基準(1日5ドル未満)で見ると、約5億4000万人が貧困層。
  • 中国の独自基準(1日1.25ドル未満)では貧困層が少なく見えるが、これは実態を反映していない。
  • 複数の学者によると、月収2000元(約4万円)未満の人が約9億6400万人、全人口の65%が低所得層。

3. 貧困の根本原因

  • 経済学者・許成鋼氏は「中国人が貧しい根本原因は、経済政策の失敗ではなく一党独裁体制そのもの」と指摘。
  • 土地や金融資産など経済の基盤は政府が独占。利益は一部の層に集中し、庶民には還元されない。
  • 農民は土地の値上がり利益を得られず、都市部に出ても社会保障が不十分。
  • 金融も国有銀行が主導し、民間企業や個人には資金が回りにくい。

4. 経済政策の限界

  • 欧米諸国のような現金給付政策は中国では実施されていない。
  • 一部学者は消費刺激策(例:大型補助金や割引制度)を提案するが、許氏は「現体制下では実現不可能」と断言。
  • 根本的な解決には土地や銀行の所有構造改革、さらには独裁体制の解体が必要とされる。

5. 結論

  • 中国の貧困問題は経済政策だけでなく、政治体制に根本原因がある。
  • 政府の統計やスローガンは実態を反映しておらず、貧困層の拡大が続いている。
  • 根本的な解決には、政治・経済制度そのものの改革が不可欠とされる。

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中国景気不振、強まる「節約志向」

by vtjp

中国の代表的な大都市である北京と上海で、2025年3月の小売業販売額が前年同月と比べて大きく落ち込みました。報道によると、今年3月の北京市における社会消費品小売総額は1,049億元(約2兆円)となり、前年同月比で9.9%もの減少となりました。上海市の3月の消費品小売総額は1,280億元(約2.5兆円)にとどまり、こちらは前年比で14.1%の大幅な下落となっています。

北京・上海の小売販売急減の背景

  • 2025年3月の北京市と上海市で小売業販売額が前年同月比で大幅に減少した背景には、中国経済全体の需要不足と消費者の節約志向の強まりがあると考えられます。北京市の小売総額は9.9%減、上海市は14.1%減と、いずれも大都市で顕著な落ち込みが見られました。

全国的な消費動向と地域差

  • 中国全体で見ると、2025年1~3月期の小売売上は前年比4.6%増と、2024年の3.5%増からはやや加速しているものの、北京や上海のような大都市では消費の冷え込みが目立ちます。特に「利用するもの」(耐久消費財や日用品など)や「身に着けるもの」(衣料品など)の販売が大きく減少しており、消費者が支出を控える傾向が強まっています。

節約志向の背景要因

  • 不動産不況と資産効果の低下 不動産価格の下落や住宅市場の低迷が続いており、これが家計の資産効果を低下させ、消費マインドを冷やしています。
  • 雇用・所得環境の悪化 コロナ禍後の景気回復が鈍く、特に中小企業の倒産や雇用の不安定化が家計の先行き不透明感を強めています。

デフレ傾向と消費の先送り

  • 物価下落(デフレ)傾向が続く中、家計は「今買うより、もっと安くなるまで待とう」と消費を先送りする傾向が強まっています。
    米中摩擦の激化
  • 2025年に入り、米国による追加関税(いわゆる「トランプ関税2.0」)の影響で中国経済の先行き不安が増し、消費者心理にも悪影響を与えています。

政府の対応と今後の見通し

  • 中国政府は内需拡大や消費喚起策(家電・自動車の買い替え促進など)を打ち出していますが、これらの政策効果は限定的で、消費の本格的な回復には至っていません。また、財政赤字の拡大や地方財政の悪化も景気刺激策の持続性に課題を残しています。

まとめ

中国の大都市での小売販売急減は、全国的な需要不足、雇用・所得環境の悪化、不動産不況、デフレ傾向、米中摩擦など複合的な要因による家計の節約志向強化が背景にあります。政府による消費喚起策も十分な効果を発揮できておらず、今後も消費の低迷が続く可能性が高いとみられます。

中国・北京と上海の小売販売急減の背景と「節約志向」

大都市での消費低迷の現状
2025年3月、北京市と上海市の小売業販売額が前年同月比で大幅に減少しました。北京市は9.9%減、上海市は14.1%減と、いずれも象徴的な一線都市で深刻な落ち込みが見られます。
消費刺激策の限界

中国政府は2025年1月に「大規模な設備の更新」と「消費品の買い替え」を支援する補助政策を打ち出し、3月には《消費振興特別行動プラン》も発表しました。しかし、北京と上海では過去2年間にわたり大規模な消費補助政策が実施されてきたため、消費意欲の高い層はすでに買い物を済ませており、新たな需要が生まれにくい状況です。補助による消費刺激の効果は短期間で尽き、持続的な消費拡大にはつながっていません。
不動産不況と家計への影響

一線都市では不動産価格の下落による資産価値の減少が住民の消費マインドに大きな影響を与えています。住宅ローンなどの負債を抱える世帯が多く、返済負担の増大によって可処分所得が減少し、消費を抑える動きが強まっています。実際、住民の貯蓄が増えており、ロックダウンや経済悪化、解雇の経験を経て「倹約」が習慣化していると指摘されています。
若者の消費行動と社会的背景

上海の住民の声によれば、「消費は最低限に抑えられ、結婚や住宅購入、出産を控える若者が増えている」とのことです。将来への不安や希望の欠如が、消費の抑制や「寝そべり」などの現象につながっています。
外資系企業の撤退と雇用不安

TOTOなど外資系企業の中国撤退が相次ぎ、雇用の不安定化が進んでいます。これにより、消費意欲の高い若年層や地方出身の労働者が都市を離れるケースも増え、大都市の消費基盤がさらに弱体化しています。
内需低迷の構造的要因

孫国祥教授は、人口構造の変化や人口ボーナスの消失、米中貿易摩擦、雇用情勢の悪化など複数の要因が重なり、内需低迷は一時的ではなく長期的な現象として定着する恐れがあると警鐘を鳴らしています。
まとめ

北京と上海で顕在化した消費低迷は、補助金政策の限界、不動産不況、雇用不安、人口動態の変化など、複合的な要因による構造的な問題です。中国政府が掲げる「内需拡大」や「内循環モデル」には大きな課題が残り、経済回復の道筋は依然として不透明です。

日本の総人口は2008年に1億2,808万人でピークを迎えました

台湾の総人口は2020年5月に約2,358万人でピークに達しました

韓国の総人口も2020年6月に約5,184万人でピークを迎えました

中国の総人口は2021年に約14億2,644万人でピークを迎えました