2025年11月06日 エネルギー支配強化する米国 台頭する中国に対抗 原発推進で電力供給確保を
この記事では、[国家安全保障にはエネルギー安全保障が不可欠だ]とし、米国が独裁的な中国に対抗して他国を凌ぐためには、エネルギーへの支配力の強化が必要と指摘されています。[トランプ大統領は国家エネルギー支配会議を設立し、その議長や副議長は国家安全保障会議にも参加している]ことが述べられています。
また、バイデン政権のエネルギー政策は気候政策を重視し化石燃料抑制や再生可能エネルギー促進に努めた一方で、実際には化石燃料の消費割合が増加し、再生可能エネルギーへの全面転換は「幻想」とされています。[中国も主要なエネルギー源として石炭に強く依存し、世界新設石炭火力の95%を占めている]こと、[中国は人工知能(AI)の優位性獲得のため世界のエネルギー支配権獲得を目指し、AIデータセンターが大量の安定電力供給を必要としている]とも指摘。
米国は、「太陽が輝かず、風も吹かないときでも」電力供給ができる原子力事業、小型モジュール炉の推進に再度取り組む必要があり、環境保護論者の反対理由はないとしています。
さらに、エネルギー支配には重要鉱物、特に[中国が約70%を採掘し、最大90%を加工支配するレアアースの支配が欠かせない]。中国は輸出制限も課しているため、米国は採掘だけでなく加工力も強化しなければならないことを強調。
全体として、[米国はエネルギー軍拡競争の真っただ中にあり、国家エネルギー支配会議はこの競争に勝つための鍵を握っている。歴代政権が怠ってきた国力強化のためのツールを今後少なくとも3年間で修正し強化していく必要がある]という点が重要です。
加えて、2025年の米国のエネルギー政策の動向としては、トランプ政権が化石燃料中心の国産エネルギー開発を加速させ、バイデン政権の排出規制撤回や温室効果ガスの危険性認定撤回提案を進めていることが報告されています。また、原子力発電や炭素利用回収貯留(CCUS)への減税は維持・拡大されており、原子力推進と化石燃料利用の継続という方針が鮮明です。
これらは、中国との競争において重要なエネルギーと資源の確保・支配を目指す米国の政策の一環と理解できます。
2025年09月19日 三菱商事の銚子沖洋上風力撤退で千葉県が国に再公募要請
- 三菱商事が銚子沖の洋上風力発電計画から撤退したことを受け、千葉県の熊谷知事らは9月18日、武藤経産大臣に対し「再公募を急ぐべき」と要請しました。背景には、洋上風力の国家的政策推進を止めず、事業空白による地域経済や雇用への悪影響を避けたいという狙いがあります。
撤退の理由
- 資材価格や工事費の世界的高騰
- 円安によるコスト増
- 風車メーカーの調達難
- 売電収入見通しの悪化
- 巨額損失や保証金没収リスク
これらにより採算が立たず、国内外で事業撤退が続発しています。特に北海道厚真町・苫小牧市でも、中止や白紙化が相次いでいます。
影響と懸念
- 地元経済・雇用が予定通り拡大せず停滞
- 国の再エネ推進策やカーボンニュートラル目標が揺らぐ
- 自治体は計画空白期間が長引くことを恐れ、国に再公募を強く要求
国際的な文脈
- 記事は比較として米国の状況も言及しており、トランプ政権・運輸省が「高コスト・低効率」を理由に洋上風力支援を縮小、民間撤退が進んだことを紹介しています。安全保障や漁業・観光への悪影響が問題視された点も、日本の今後の政策判断に影響し得ます。
この事案は、日本国内の洋上風力を巡る投資環境の厳しさを象徴しており、再公募の有無・条件次第で再エネ政策全体の方向性に影響を与える局面となっています。
洋上風力発電の導入拡大へ 改正法が衆院本会議で可決・成立
洋上風力発電の導入拡大を目指す改正法の概要
- 2025年06月3日、洋上風力発電の導入を加速させるための「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」の改正法が、衆議院本会議で賛成多数により可決・成立しました。
主なポイント
- 排他的経済水域(EEZ)への拡大・・・これまで日本の領海や内水に限定されていた洋上風力発電の設置許可制度が、EEZ(日本の沿岸から約200海里=約370kmまでの水域)にも拡大されます。
- 新たな設置許可制度・・・政府が自然環境に適した区域を指定し、発電設備を長期間設置したい事業者から計画案の提出を求める仕組みが導入されます。
計画案は漁業者などの関係者と調整し、基準を満たしていると認められた場合のみ設置が許可されます。 - 環境保護への配慮・・・区域指定にあたっては、海洋環境の保護を考慮し、必要な調査を実施することが定められています。
- 導入目標・・・政府は2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万~4,500万kWの洋上風力発電案件形成を目標としています。
- カーボンニュートラル目標への貢献・・・洋上風力発電は、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化の柱と位置付けられています。
今後の展望
- 浮体式発電方式の拡大・・・EEZには深い海域が多いため、今後は浮体式の洋上風力発電が中心となる見込みです。
- 関係者との調整強化・・・設置にあたっては漁業者など利害関係者との合意形成が不可欠となり、調整プロセスが強化されます。
この改正法により、日本の洋上風力発電の導入が大きく拡大し、再生可能エネルギーの普及と温室効果ガス削減の目標達成が期待されています。

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