トランプが主張する「風力発電に関する嘘」と正しい科学的知識
トランプ大統領は2025年07月、スコットランド訪問時に風力発電を「詐欺」と断じ、洋上風力発電はクジラの死因、不動産価値の下落、そして経済性のないコスト高につながると主張しましたが、これらは科学的根拠に基づかない誤情報とされています。
主な誤解と科学的事実は以下の通りです。
- 「風力発電は鳥を大量に殺す」
米国魚類野生生物局によると、風力発電による鳥の年間死亡は100万羽未満です。一方、建物との衝突による死亡が約6億羽、猫による捕食で約20億羽と、他の要因の方が圧倒的に多いです。 - 「洋上風力がクジラの死因」
米国海洋大気庁や海洋漁業局は、洋上風力発電とクジラの死亡との科学的因果関係を否定しています。主な死因は船との衝突や漁具の絡まり、生態系変化です。 - 「発電コストが最も高い」
2023年の調査によれば、米国における陸上風力発電のコストは1メガワット時あたり約33ドル(約4850円)と、化石ガスや石炭より低い水準です。 - 「風力発電所は不動産価格を下げる」
ローレンス・バークレー国立研究所の調査で、周辺住宅の長期的な価格下落を裏付ける一貫した証拠は見つかっていません。 - 「健康被害を及ぼす」
風車の騒音や振動による深刻な健康被害の科学的根拠はありません。
こうしたトランプ氏の発言は、過去にも何度となく否定されてきた通説の繰り返しであり、風力発電や再生可能エネルギーへの誤解や都市伝説と同質のものとされています。
戦後80年を経て、日本の近現代史を改めて問い直す現代人向けの新書です。この本は、特定の視点に偏ることなく、「あの戦争」(主に太平洋戦争やその前後の日本の戦争状態)がいつ始まったのか、日本はどこで間違えたのか、掲げた理想は本当に間違いだったのか、そして「大東亜共栄圏」が日本をどう見ていたのかといった根源的な疑問に答えようとしています。
著者は、戦争をただ過ちとして糾弾するのでも、日本の過去を無条件に称賛するのでもなく、「小さく否定し大きく肯定する」視点で歴史を再評価し、「われわれの物語」として戦争の全体像を描き直す試みをしています。これにより、歴史認識の分断を乗り越え、右派や左派の対立を超えた共通の理解を作り、未来へつながる成熟した歴史意識を提案しています。
内容的には、幕末から戦争の開始時期、米英との外交や護憲運動、八紘一宇という理想の読み替え、東条英機の外交や南方戦線での実態、南京大虐殺記念館の現状など多角的に戦争の背景や経過を論じます。さらに、戦争を「アジア・太平洋戦争」や「大東亜戦争」と呼ぶことの是非、日本の敗因や理想の実体、戦後の歴史叙述のあり方まで踏み込んで考察しています。
また著者は、歴史は単なる過去の記録ではなく、現在と未来を理解し切り開くための羅針盤と捉え、分断された歴史認識を乗り越えて社会の結束を深めるための建設的な対話を促すことを目指しています。
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