日本は東日本大震災以降、1000年ぶりの大地変動期に突入したのか
- 多くの地球科学者や専門家によると、2011年の東日本大震災以降、日本列島は「1000年ぶりの大地変動の時代」に突入したと考えられています。
根拠と詳細
- 東日本大震災(2011年3月11日)は、マグニチュード9.0という日本観測史上最大級の地震であり、1000年に1度起こるかどうかという非常に稀な巨大地震でした。
- この地震により、日本列島の地盤には大きな歪みが加わり、その修正過程で今後も活発な地震活動や火山活動が続くと予測されています。
- 専門家は、東日本大震災以降、余震が異常に長く続き、さらに南海トラフ巨大地震や首都直下地震、富士山噴火などのリスクが高まっていると指摘しています。
- これらの現象を総合し、「日本列島は1000年ぶりの大地変動期に入った」とする見解が広く共有されています。
まとめ
- 東日本大震災を契機に、地球科学者の間では「日本は1000年ぶりの大地変動期に突入した」との認識が定着しており、今後数十年にわたり地震や火山噴火などの自然災害が活発化する時代に入ったと考えられています。
誰の意見なのか?
「日本は東日本大震災以降、1000年ぶりの大地変動期に突入した」という意見は、複数の地震学者や研究機関によって述べられていますが、特に明確にこの表現を使っているのは、地震学・防災分野の専門家や研究機関の見解をまとめた解説記事や報告書です。
たとえば、2011年の東日本大震災によって「日本列島は千年ぶりの『大地変動の時代』が始まった」とする見解は、地震・防災分野の専門家によるものとして紹介されています。また、東京大学名誉教授の島崎邦彦氏(地震調査委員会長期評価部会長)は、「1000年に1度の巨大地震」の再来が指摘され始めたと述べています。
このように、「1000年ぶりの大地変動期」という表現は、個人の特定の学者だけでなく、複数の研究者や専門家の議論や警鐘をまとめた形で使われているものです。
複数の地震学者や研究機関の名前を列挙
以下は、東日本大震災以降の「大地変動期」や地殻変動の活発化について言及している、主な地震学者や研究機関の例です。
- 鎌田浩毅(京都大学名誉教授、地球科学・火山学が専門)
- 産業技術総合研究所(産総研)・海溝型地震履歴研究グループ
- 東京大学地震研究所
- 京都大学防災研究所
- 東北大学災害科学国際研究所(遠田晋次ほか)
- 千葉大学(宮内崇裕)
- 東京大学(池田安隆)
- 山口大学(楮原京子)
- 首都大学東京(鈴木毅彦)
- 国土地理院(中島秀敏)
- 東北工業大学(神山眞)
- 山形大学(三辻和弥)
これらの学者や研究機関が、東日本大震災後の日本列島が大地変動期に入ったことや、今後の地震・火山活動の活発化について研究・発信しています。
科学的根拠に乏しく、主流の地震学では支持されていません
東南海トラフ大地震「来ない」という説について
- 東南海トラフ(南海トラフ)大地震は「来ない」とする説は一部存在しますが、これは主流な科学的見解とは大きく異なります。
1. 「来ない」説の根拠と批判
- 一部の地震学者や専門家からは、「30年以内に70~80%の確率で南海トラフ地震が発生する」という政府発表の数値は「信頼できない」「科学的根拠が薄い」との批判もあります。例えば、名古屋大学の鷺谷威教授は「他の地域とは違う計算式を使っているから、全国で統一された計算式を使うと確率は20%に落ちる」と指摘しています。
- また、地震予知そのものに懐疑的な意見もあり、東京大学名誉教授のロバート・ゲラー博士は「地震予知は幻想」と明言し、「周期説」自体が国際的には否定されていると主張しています。
2. 科学的な主流見解
- 一方で、南海トラフ地震は過去100~200年の周期で繰り返し発生してきたことが歴史的記録から明らかであり、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界でひずみが蓄積されていることから、「いつ起きてもおかしくない」とするのが政府や多くの研究者の立場です。
- 政府の地震調査委員会は「今後40年以内に90%程度の確率で発生する」と発表しており、30年以内でも70~80%の確率とされています。
- ただし、発生時期の「正確な予知」は科学的に困難であり、被害想定や周期についても不確実性があることは公式にも認められています。
3. 「来ない」可能性はゼロか?
- 「永遠に南海トラフ地震が来ない確率」は限りなくゼロに近いとされており、今後30年以内に来ない確率は20%程度と推定されています。
- つまり、「絶対に来ない」と断言する根拠はなく、むしろ「いつかは必ず来る」と考えるのが地質学的には妥当です。
4. デマや根拠のない予言の拡散
- インターネット上では「○月○日に南海トラフ地震が起きる」といった根拠のない予言やデマが拡散されることもありますが、これらは専門家から明確に否定されています。
まとめ
- 「東南海トラフ大地震は来ない」という説は、科学的根拠に乏しく、主流の地震学では支持されていません。
- ただし、発生確率の数値や「予知」自体に対しては専門家の間でも議論があり、確率論的な見積もりには不確実性が伴います。
- 現実的には「いつ起きてもおかしくない」と考え、備えを怠らないことが推奨されています。
本書の主旨
- 首都直下地震や南海トラフ巨大地震といった“近未来に高い確率で発生が予測される大災害”について、最新の科学的知見とともに、リスク、被害想定、個人や社会が取るべき備えを総合的にまとめた警鐘の書です。
主な内容と特徴
1. 日本列島の危機的状況
- 能登半島地震(2024年元日)を契機に、首都直下地震や南海トラフ地震の危険性が改めて注目されている。
- 日本列島は「大地変動の時代」に入り、内陸直下型地震や火山活動が活発化している。
2. 首都直下地震のリスク
- 政府の地震調査委員会は、今後30年以内に首都直下地震が発生する確率を約70%と発表。
- 特に「都心南部直下地震」では、東京23区の6割が震度6強以上になる可能性がある。
- 首都機能の麻痺、甚大な人的・経済的被害が想定される。
3. 南海トラフ巨大地震のリスク
- 南海トラフ地震は、東日本大震災を上回る規模の被害が想定され、220兆円超の経済損失や数十万人規模の犠牲者が予測されている。
- 地震発生後には、富士山噴火の誘発も懸念されている。
4. 地震・火山・異常気象の連動性
- 巨大地震の後に火山噴火が誘発されるリスクや、異常気象・気候変動との関連も解説。
5. 科学と防災
- 科学による予測の限界と、現実的な備えの重要性を強調。
- 防波堤や耐震・免震構造などハード面だけでなく、分散や自助・共助といったソフト面の知恵も提案。
章立て(抜粋)
序章:能登半島地震からわかったこと
第1章:地震の活動期に入った日本列島
第2章:想定以上の大災害となる首都直下地震
第3章:「西日本大震災」という時限爆弾(南海トラフ地震)
第4章:南海トラフ巨大地震が誘発する富士山噴火
第5章:災害、異常気象で世界はどう変わっていくのか
第6章:「これからの大災害」に不安を感じないために
第7章:科学で災害はコントロールできるのか
終章:地球や自然とどうつきあうか
本書のメッセージ
- 日本列島に「安全地帯はない」ことを自覚し、個人・社会として現実的な備えを進める必要がある。
- 科学的知識を身につけ、冷静にリスクと向き合い、分散や自助・共助の知恵を活かすことが命を守るために不可欠。
まとめ
- 地震・火山・異常気象などのリスクを科学的に解説しつつ、現実的な対策と心構えを提案する一冊です。大災害への備えを考える上で、最新の知見と具体的な行動指針を得ることができます。