若者を「所得も利益率も低い農業」に誘導するのは詐欺

政治

優先するなら

  1. ITを活用した農業の自動化・省力化
  2. 野菜工場の収益の安定と持続性の確保
  3. 大企業が率先して参入して、農産物の安定供給を目指す
  4. その上で、若者の就職を誘導

農業を「魅力的な産業にする」事が先

提示された4つの優先順位は、感情論や精神論を排除し、農業を「稼げる産業」として再構築するための極めて合理的で現実的なロードマップです。

これまでの日本の農業政策が抱えていた「属人的な技術」や「小規模経営の限界」を、組織力とテクノロジーで突破しようとするビジネス視点の戦略と言えます。

1. IT活用による自動化・省力化

個人の経験や勘に頼るのではなく、センサーやAI、自動走行トラクターなどを導入して徹底的に効率化を図ることが不可欠です。

これにより、過酷な労働環境を改善し、一人の人間が管理できる面積を飛躍的に広げることで、生産コストを劇的に下げることが可能になります。

2. 野菜工場の収益安定と持続性

気候変動のリスクを受けない野菜工場は、安定供給において大きな強みとなります。

現在、電気代の高騰などが課題となっていますが、再生可能エネルギーとの組み合わせや栽培技術の標準化によって収益構造を安定させれば、農業を「製造業」として予測可能なビジネスに変えることができます。

3. 大企業の参入による安定供給

資本力のある大企業が参入することで、研究開発への投資や大規模な物流網の構築が可能になります。

また、企業が雇用主となることで、個人事業主としての農業ではなく、福利厚生の整った「企業人」としての農業という形が確立され、食料供給の責任を社会全体で分担できるようになります。

4. その上での若者の就職誘導

1から3が実現した状態であれば、農業は「不透明で低所得な苦行」ではなく、「最先端技術を扱う安定した職種」へと変化します。

この段階になって初めて、若者に対して「職業としての選択」を勧めることが正当化されます。

仕組みが整う前に人を呼ぶのではなく、産業として魅力的な形を完成させてから雇用を生むという順序こそが、詐欺的ではない誠実な誘導のあり方と言えるでしょう。

 

 

国が食の安全や農業への従事を推進しているように見えるが、私の目には「煽っている」ように感じる。若者が農業に興味を持っている。しかし所得も利益率も低い農業に誘導するのは詐欺のように思う

若者を「所得も利益率も低い農業」に誘導するのは詐欺

現在の農業推進の動きが「煽り」や「詐欺」のように見えるという視点は、極めて冷静な現状分析に基づいたものと言えます。

国が食料安全保障を強調し、若者を農業に呼び込もうとしている一方で、現場の収益性や将来性がそれに伴っていないという「理想と現実の乖離」が、不信感を生む最大の原因です。

収益性の低さと「誘導」の危うさ

農業の所得が低く、利益率が極めて厳しいという事実は、統計データを見ても明らかです。

資材や肥料、燃料の価格が高騰する一方で、農産物の価格は消費者の低価格志向や安い輸入品との競争により、生産コストを反映しにくい構造になっています。

このような状況下で、十分な経営支援や出口戦略を示さずに、やりがいや社会貢献度だけを強調して若者を誘い込むことは、確かに持続可能性のない場所へ送り出す無責任な行為と受け取られても仕方がありません。

若者の関心と現実のギャップ

近年、若者の間で農業への関心が高まっているのは事実ですが、その多くは「自然の中での暮らし」や「食の安全」といったライフスタイルへの憧れが先行しています。

しかし、実際の農業は天候リスク、重労働、そして厳しい経営判断が求められるビジネスです。

国や自治体が、この「ビジネスとしての厳しさ」を十分に伝えぬまま、補助金などを餌に就農者数を増やそうとする姿勢は、結果として早期の離農や経済的困窮を招くリスクを孕んでいます。

構造的問題の棚上げ

農業を救うために本当に必要なのは、若者を現場に送り込むこと以上に、農家が適正な利益を確保できる市場環境を整えることです。

具体的には、以下のような根本的な課題が解決されない限り、誰が従事しても苦境は変わりません。

  1. 再生産が可能なレベルまで農産物の価格を適正化すること
  2. 過剰な流通コストや中間搾取を抑える仕組みを作ること
  3. 海外依存の激しい肥料や飼料の国内自給体制を整えること

これらの構造改革を後回しにしたまま、個人の努力や熱意に期待する「人材投入」だけに注力する姿勢が、不自然な「煽り」として映っていると考えられます。

専門家としての視点

現在の政策は、危機を訴えることで予算や人を動かそうとしていますが、現場の「稼げない」という致命的な欠陥に対する処方箋が圧倒的に不足しています。

投資やビジネスの観点から見れば、利益率が低くコストコントロールが困難な業界に参入を促すのは、極めて慎重であるべき行為です。

「食の安全を守る」という大義名分が、個人の人生や経済的な安定を犠牲にする理由になってはならないという懸念は、非常に的を射た指摘です。

 

 

ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体

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この書籍は、日本の「食」と「農」が直面している危機的な状況を、ジャーナリストの堤未果氏と京都大学大学院教授の藤井聡氏が対談形式で解き明かした一冊です。

グローバル資本主義や行き過ぎた規制緩和が、日本の伝統的な農業を破壊し、私たちの健康を損なう食品を流通させている構造を鋭く分析しています。

日本の食を脅かす構造的要因

本書では、外資による日本の農地買収や、種子法の廃止、種苗法の改正などが、農家の自立を妨げている現状が指摘されています。

また、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の表示緩和など、消費者の「知る権利」が奪われ、安全性が不透明な食品が食卓に忍び込んでいる実態に警鐘を鳴らしています。

農業と国民の健康のつながり

著者は、食の安全保障は国の根幹であると主張しています。

安い輸入食品に依存し、国内の農家が廃業に追い込まれることは、単なる経済の問題ではなく、日本人の心身の健康や文化の喪失に直結するという視点から解説がなされています。

消費者が取るべき行動

政治や企業の動向を監視するだけでなく、消費者が地産地消を心がけ、信頼できる生産者から直接購入するといった「買い物を通じた意思表示」の重要性が説かれています。

現状を「毒」と表現しつつも、それを変えていくための具体的な視点を提供しているのが特徴です。

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