2025年初頭の日本の輸出成長は米国関税で急減速 自動車・自動車部品が最大の打撃を受けた

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日本全体の輸出成長率もマイナス転落

GDPや雇用への下押し圧力も強まっている

データに如実「米国関税日本輸出直撃」の現実、年初11.4%増からの劇的転落

2024年末から2025年初めにかけて、日本の輸出は半導体製造装置や自動車需要の増加を背景に力強く成長し、2025年2月には前年比11.4%増という高水準を記録しました。しかし、米国による自動車・鉄鋼・アルミ関税の発動を受けて、輸出の勢いは急速に失速し、4月には前年比2.0%増、5月には1.7%減と、成長率が劇的に転落しました。

特に対米輸出の落ち込みが顕著で、自動車や自動車部品などの主力品目が大きな打撃を受けています。米国は日本の自動車輸出にとって最大の市場であり、2024年には日本の総自動車輸出の**28.3%**を占めていました。新たな関税措置によって、自動車産業への影響が最も大きく、25%の関税が課されたことで輸出減少が予想されるほか、生産の一部が米国へ移転する動きも見られ、日本国内の雇用にも悪影響が及ぶ懸念があります。

経済アナリストは、米国の関税措置が日本のGDPを0.2%から1.8%押し下げる可能性があると指摘しており、輸出成長の鈍化や米国でのインフレ加速も予想されています。実際、2025年5月の統計では米国向けやアジア向けの輸出減少が全体の指数を押し下げたと報告されています。

2025年1~3月期の主要輸出品目ランキングでは、自動車(完成車)・半導体等製造装置・自動車部品・電子部品(IC等)・医薬品などが上位を占めており、これらの品目の対米輸出が特に影響を受けています。

要点をまとめると、

  • 2025年初頭の日本の輸出成長は米国関税で急減速
  • 自動車・自動車部品が最大の打撃を受けた
  • 日本全体の輸出成長率もマイナス転落
  • GDPや雇用への下押し圧力も強まっている

というのが、データに如実に表れた「米国関税日本輸出直撃」の現実です。
 

7月15日発表、「米6月消費者物価指数(CPI)の注目ポイント」を整理

6月CPIの予想と現状

  • 6月の米CPIは米国時間7月15日に発表される予定です。
  • クリーブランド連邦準備銀行の分析によれば、6月の前月比インフレ率は0.23%~0.25%と、比較的低い水準が予想されています。
  • この予想が的中すれば、2月以降続いている落ち着いたインフレ傾向が6月も維持される見通しです。

FOMC目標との乖離

  • インフレ率は依然として米連邦公開市場委員会(FOMC)の年間目標である2%を上回っており、多くのインフレ指標は2%よりも3%に近い水準です。
  • ただし、目標からの乖離の一部は2024年11月~2025年1月の物価上昇の影響であり、直近のデータはより落ち着いています。

エネルギー・関税リスク

  • エネルギー価格や関税は今後のインフレリスクとして注目されています。
  • これまで関税の影響はCPIに大きく現れていませんが、複数の企業が6月・7月に値上げを予定しており、今後のCPIに影響を与える可能性があります。
  • 5月の生産者物価指数(PPI)は緩やかなインフレを示しており、CPIの先行指標となり得ます。
  • 地政学リスク(中東情勢など)やエネルギー価格の変動も引き続き注視が必要です。

住居費の動向

  • CPIの約1/3を占める住居費は、2023年以降上昇ペースが緩やかになっており、全体のインフレ率をFOMC目標の2%に近づける要因となっています。
  • 今後も住居費が下がれば、関税など他のインフレ要因を相殺する可能性があります。

FRBの金融政策への影響

  • 2024年後半に一時的なインフレ加速が見られた際、FOMCは警戒感を示していましたが、2025年2月以降の落ち着いたインフレ率を受け、現在はインフレ上昇リスクと労働市場悪化リスクのバランスを検討しています。
  • 6月も控えめなインフレ率が確認されれば、FRBは労働市場のリスクにより注目する可能性があります。
  • なお、CME FedWatchによれば、7月30日のFOMC会合で利下げに踏み切る確率は約25%と見られています。

まとめ:6月CPIの注目点

  • インフレ率が引き続き低水準かどうか
  • 住居費やエネルギー・関税の影響
  • 企業の値上げがCPIにどの程度反映されるか
  • FRBの金融政策判断(特に利下げ観測)への影響

7月15日の発表は、今後の米国金融政策や市場動向を占う上で非常に重要な指標となります。

 

 

米国株とドルが急落、トランプ氏のFRB議長批判受け

  • 2025年4月21日、米国株式市場はS&P500種指数が前週末比約2.4%下落し、ダウ工業株30種平均やナスダックも2.5%超の下落となるなど、主要株価指数が急落しました。この背景には、ドナルド・トランプ大統領によるFRB(米連邦準備制度理事会)パウエル議長への批判が大きく影響しています。
  1. トランプ大統領の発言と批判内容
    トランプ大統領はSNSで、「パウエル議長は経済情勢への対応が常に遅すぎる」とし、景気浮揚のために「先手を打って」金利を引き下げるよう強く要求しました。「ひどい負け犬である『対応が遅すぎる男』が今すぐに金利を下げない限り、経済は減速する」とも投稿しています。また、今月発動した「相互関税」による景気後退懸念が高まる中でのFRBの対応にも不満を示し、パウエル議長の解任を検討しているとの発言もありました。
  2. 市場への影響
    この一連の発言・動きにより、市場はFRBの独立性が損なわれるとの懸念から大きく動揺しました。株価だけでなく、通常「安全資産」とされる米ドルや米国債にも売りが波及し、ドル指数は2022年以来の最低水準まで下落しました。一方で、投資家が安全資産を求めた結果、金価格は史上初めて1オンス3500ドルを突破するなど、リスク回避姿勢が鮮明となりました。
  3. FRB議長解任の可能性と法的論点
    トランプ氏はパウエル議長の解任を「検討」と明言したものの、実際に大統領がFRB議長を解任できるかは法的にも明確ではなく、FRBの独立性を巡る議論が高まっています。パウエル議長自身は「大統領には自分を解任する法的権限はない」と述べており、前例もありません。
  4. 国際的な波及と今後の見通し
    米国の金融政策や市場動向は世界経済に大きな影響を与えるため、「アメリカがくしゃみをすると世界が風邪をひく」との格言通り、アジア太平洋地域の株価も軟調に推移しました。IMFも世界経済成長率の下方修正を示唆しており、今後数カ月の米経済減速が国際的にも注視されています。

まとめ

  • トランプ大統領によるFRBパウエル議長への強い批判と利下げ要求、さらには議長解任の可能性示唆が、米国株・ドル急落と市場の混乱を招きました。FRBの独立性への懸念が高まる中、今後の金融政策と市場の動向が世界経済にも大きく影響する見通しです。

 

 

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