ホンダの電動バイク開発は、2030年までにグローバルで30機種投入、販売400万台が目標

ホンダの電動バイクの開発状況

ホンダの電動バイク開発は、2030年までにグローバルで30機種投入、販売400万台を目標に急速に進展しています。2040年代の全二輪カーボンニュートラル実現に向け、交換式・固定式バッテリーを活用した多様なラインナップを展開中です。​

主要モデルと進捗

  • CUV e:(交換式バッテリー):インドネシアで2024年発表、欧州・日本含む20カ国で2025年販売予定。ベトナム市場対応も強化。​
  • ICON e:(固定式):モペッドタイプ、インドネシア向けに投入。
  • ACTIVA e:・QC1:インド専用モデル、2024年11月発表。
  • WN7(EV Fun Concept市販版):フルサイズ電動スポーツバイク、航続130km。2025年末生産開始、2026年初頭欧州発売。欧州で広範テスト済み。​

将来戦略

  • 2028年インドに電動二輪専用工場稼働で生産効率化、世界シェアNo.1目指す。​
  • コンセプトモデルとして「EV Urban Concept」「EV Outlier Concept」(2030年市販予定、2輪駆動クルーザー型)を公開。近未来都市モビリティと自由形EVを提案。​
  • ベトナムでは1車種から拡充へ移行、政府の脱ガソリン政策に対応。​

これにより、二輪事業全体の電動化比率を高め、アジア市場での競争力を維持する方針です。

 

 

ホンダに全世界売上に占める二輪の売上の比率

ホンダの全世界売上における二輪事業の売上比率は、約30-35%程度と推定されます。この比率は、2025年3月期のデータに基づき、二輪販売台数が世界シェア約40%の2057万台を記録した一方、四輪事業の規模が相対的に大きいためです。​

二輪事業の位置づけ

  • 二輪事業はホンダの基幹事業の一つで、特にアジア市場(インド、ベトナムなど)が売上の85%を占めます。2024年度販売台数は2020万台超で、世界市場5000万台規模の約4割を確保。​
  • 全体売上高に占める比率は変動しますが、利益面では二輪が安定した収益源として全体の3割前後を支えています。​

ベトナム影響の文脈

  • 前回の記事で触れたベトナム市場(ホンダシェア8割、214万台)は二輪全体の約10%に相当し、電動化政策による打撃は全世界売上の1-2%程度の影響にとどまる可能性が高いです。ただし、長期的にシェア低下すれば比率に波及します。

 

 

2025年12月14日 ベトナムのバイク「脱ガソリン」、シェア8割のホンダに打撃…政府が電動二輪普及を主導

この記事は、ベトナム政府が脱ガソリン化を進める方針を明確にし、国内で圧倒的シェア8割を誇るホンダに打撃を与えているという内容です。以下が要点です。

ベトナム政府の方針

  • 2026年7月から、首都ハノイ中心部で化石燃料を使う二輪車の走行を禁止。
  • 段階的に対象地域を拡大し、2030年までに規制を強化。
  • 南部ホーチミンでも同様の規制を検討。
  • 表向きは「大気汚染対策」だが、国内新興メーカー支援の色合いが濃い。

背景と狙い

  • ベトナムは通勤の主力が二輪で、2024年の販売台数は265万台と日本の7倍超。
  • 国内最大財閥「ビングループ」傘下のEVメーカー「ビンファスト」が電動二輪市場を急拡大。
  • 政策はビンファスト支援策との見方が出ている。

市場の変化

  • ホンダの販売:2024年に214万台販売するも、政府方針発表後に販売が落ち込み、8・9月は前年比10%以上減。
  • ビンファストの販売:2025年1〜9月で出荷23.5万台(前年同期比6倍)。
    • 低価格(約10万円〜)と多車種展開が人気の要因。

ホンダの対応と課題

  • 電動二輪は1車種のみで価格も高め。
  • 「電動化に向けた準備を進める」として新モデル拡充を計画。
  • しかし政府の電動化政策が想定より早く進んだため、戦略の見直しを迫られる可能性。
  • 約130社のホンダ関連部品メーカー(多くは日本企業)も影響を受ける懸念。
  • 日本大使館は“性急な電動化”の見直しを求める文書を提出したが、ベトナム側の回答はなし。

要約すると、ベトナム政府が脱ガソリン化政策を急速に進め、これが国内産業育成(ビンファスト支援)と結びついている一方、ホンダや日本の部品サプライヤーは大きな構造転換を迫られているという状況です。

この動きは、ASEAN全体の電動化競争の加速や、日本メーカーのアジア戦略見直しの引き金になる可能性があります。