2025年10月15日 「メガソーラー反対」の高市総裁は「AIの電力」どう確保?激ムズ問題の“正しい答え”
この記事は、2025年10月に就任した高市早苗新首相のエネルギー政策を中心に、AI時代の「電力覇権」というグローバル課題を論じている。元『プレジデント』編集長の小倉健一氏による分析で、日本の電力政策の転換点を示唆する内容だ。
高市氏は、外国製太陽光パネルによるメガソーラー推進を強く批判し、「補助金制度の見直し」を公約に掲げている。釧路湿原への設置例を「ゆがんだ補助金による結果」と断じ、太陽光偏重から脱却し、原子力・核融合などの安定電源重視へ舵を切る姿勢を鮮明にしている。
背景には、欧州がウクライナ侵攻後に再び化石燃料と原発回帰に傾いた国際的現実がある。再エネによるエネルギー自立が幻想だったことを踏まえ、「日本も現実的なエネルギー安全保障を確立すべき」と高市政権は見ている。
記事後半では、元グーグルCEOエリック・シュミット氏の指摘が引用され、中国がAI競争において「電力優位」を確立している点を論じる。
- 中国は巨大な電力供給網を整備し、データセンター需要を支える。
- 米国は深刻な電力不足で、AIトレーニングが中東諸国に流出しかねない。
これにより、今後のAI覇権は技術よりも「エネルギー供給能力」に左右されるとの見方が示される。
日本では再稼働停滞が続く原発問題が核心であり、柏崎刈羽原発や泊原発の動向が鍵を握る。記事は、地元との合意形成の遅れが「国家的リスク」に直結すると警鐘を鳴らす。最終的に筆者は、「原発再稼働と再エネ推進の両立」こそが高市政権の試金石であり、電力の安定供給なくしてAI・産業競争力も成立しないと結論づけている。
この論考は、AI技術の発展と国家エネルギー戦略を結びつけ、「電力を制する国が次の覇権を取る」という構図を明確に提示している点が特徴的。
原子力発電に代わる新たな発電方法
- 水素発電:
水素発電は、火力発電の燃料を石炭や天然ガスの代わりに水素を使い、二酸化炭素や有害物質をほぼ排出しないクリーンな発電方式として期待されています。アンモニア発電も同様にCO2を排出せず、輸送や貯蔵がしやすい特徴があります。海洋エネルギー発電は、潮流、波力、洋上風力、潮汐力など多様な海のエネルギー資源を活用するもので、日本の地理的特性を活かした開発が進んでいます。さらに、宇宙太陽光発電システムのように宇宙空間で発電し、地上にエネルギーを送る先進的な技術も研究されています。 - 核融合発電:
また、新しい発電技術として核融合発電も注目されており、燃料の重水素は豊富で燃焼の安全性も高いという利点を持ちますが、実用化にはまだ課題があります。風力発電の新技術としては、空中に風車を浮かせる高高度風力発電などの革新的な方法も開発中です。 - 再生可能エネルギー:
再生可能エネルギー全般はCO2排出がなく、資源が枯渇しにくい利点があるものの、気象条件に左右される不安定な供給という課題や蓄電技術の発展が必要な点が現状の課題です。このため、現時点では原子力発電の安定性や発電効率の高さを完全に代替することは難しいとされていますが、多様な新技術の研究開発が進められています。
日本が原発を否定すると国際競争・安全保障面で不利になる
原子力発電は「将来の問題解決を期待」しながらも現在は「問題の先送り」をして利用する技術
原子力発電は「将来、問題が解決されていることを願う」という前提の技術で、使わないに越したことはないものの、現実には多くの国が原発を利用しています。日本にとっては、エネルギー自給率が低く(12.6%程度)、燃料価格高騰と円安で化石燃料の輸入コストが増大している現状を踏まえると、原子力発電は安定した電力供給源として重要視されています。
経済面では、原子力発電は立地地域への雇用創出や産業連携、技術開発に寄与し、電力市場での価格安定にも貢献しています。また、化石燃料依存を減らすことでエネルギーコストの安定や国際競争力の維持にもつながります。エネルギー自給率が低い日本が原発を減らすと、エネルギー確保の面で経済的に不利となり、結果的に海外への依存が強まるため、安全保障や国の経済力にマイナス影響が生じる懸念も指摘されています。
さらに、軍事・安全保障面を考慮すると、エネルギーの安定供給は国家の独立性や防衛力と密接に関連しており、エネルギーを制約された状況は経済だけでなく軍事的支配や侵略リスクの増大を招く危険性も含みます。そのため、多くの国が原発を活用し続ける中で、日本も原子力の利用を見直しつつ、経済的・安全保障の観点から必要な原発を継続活用していく政策を選択しているのが現状です。
総じて原発は「問題解決を願いつつ使う」技術であり、停止する経済的・安全保障リスクも大きく、日本が原発を否定すると国際競争・安全保障面で不利になるとの見方が多いです。
2025年09月10日 「今さら騒いでほしいの?」 女川原発の取材で問われ、気づいたこと
岸めぐみ 2024年入社 行政担当
2024年5月に宮城県牡鹿半島の女川原発を取材した記者が、地元の人々の反応から感じたことを綴っています。地元住民の一部は「今さら、私たち市民にもっと騒いでほしいの?」と問いかけるように言い、震災や原発事故の記憶が風化している現状や、原発再稼働への複雑な感情があることを示しています。
女川原発は東日本大震災で被災し、特に2号機は津波での海水浸入や非常用発電機の損傷など大きなダメージを受けました。再稼働にあたって安全対策が講じられていますが、地元では耐震補強や避難計画の実効性に対する不安や反対意見が根強く残っています。加えて、古い沸騰水型軽水炉(BWRマークⅠ)という設計の問題も指摘されています。
一方で、原発問題への関心や危機感が薄れていく現状、過去の事故の教訓をどう生かすかに対して地域や社会で温度差があることに記者は気づかされ、取材を通じて原発の問題は単なる技術的課題以上の複雑な社会問題であることが示されています。
このように女川原発問題の取材では、震災からの年月を経て「今さら騒ぐ意味はあるのか」という住民の声とともに、原発再稼働の是非を問う難しい状況が伝えられています。これが「今さら騒いでほしいの?」という言葉に込められた気持ちの背景です。
「ひとりが好きな人」の上手な生き方 内向型が力を発揮するための実践的エクササイズ

フランス出身のビジネスコーチ、ティボ・ムリス氏による内向型(ひとりが好きな人)向けの自己理解と実践的な生き方指南書です。内向型の人が抱えがちな生きづらさを解消し、自分らしく充実した人生を送るための具体的なエクササイズを14点紹介しています。
本書の主な内容は以下の通りです。
- 内向性とは何か、内向型と外向型の違いや内向型の特徴を正しく理解すること。
- 内向型であることを否定せず受け入れ、外向型のように無理に振る舞う必要はないと説く。
- 内向的な性格に合った日々の過ごし方や社交・仕事・人間関係のヒントを提供。
- 自分の内向性を活かして、人生で力を発揮し社会に貢献する方法を伝授。
- 内向型の強みを活かしたリーダーシップや情熱の見極め方、成功事例も紹介。
著者自身も内向型であり、無理に外向的な振る舞いをして疲弊した経験から、内向性を正しく理解し自己肯定することの重要性を説いています。内向型は人口の約50%を占め、社会が外向型向きに設計されている中で生きづらさを感じやすいが、内向性は個性であり強みであると位置づけます。
内向型の人に共感があり、雑談やパーティーが苦手、電話応対が億劫、社交の場で疲れてしまうなどの悩みを持つ方に非常に役立つ内容です。著者の実用的なエクササイズによって、自分の強みを見つけ、内向的な性格を活かして上手に生きていく方法を学べます。
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