北京 月収は1万元から4千~5千元に大幅減少

20万円が8~10万円に

経済低迷と統制強化 二重苦に揺れる北京の市民生活

経済低迷の背景と影響

  • 中国経済は2024年以降、成長率の鈍化や不動産不況、地方財政の悪化、米中貿易摩擦の再燃など複数の要因で低迷しています。
  • サービス業や販売業の賃金は下落し、公務員の給与カットや雇用縮小が広がっています。特に公務員の給与は約10%引き下げられ、地方では給料の遅配も常態化しています。
  • 若年層の就職難も深刻化し、かつては35歳以上が厳しかった就職市場が、今では30歳前後でも職が見つかりにくい状況です。月収も1万元から4千~5千元に大幅減少しています。
  • 海外経験者でも国内の給与水準は低く、生活水準の格差が鮮明です。
  • 消費意欲の低下は飲食業などに打撃を与え、レストランの客足減や家庭の「消費ダウングレード」が進行しています。

統制強化と社会管理の現状

  • 2025年の大規模軍事パレードなど重要政治イベントを控え、北京では治安対策がかつてなく強化されています。公共の場での身分証チェックや地下鉄での私服警官による監視が日常化し、二環路内では特に厳重です。
  • 包丁購入時の実名登録義務、公務員への禁酒令、24時間体制の監視など、社会管理の徹底が進んでいます。
  • こうした統制強化は、習近平政権の「総体国家安全観」に基づき、政権の安定維持を最優先する政策の一環とされています。

市民意識の変化

  • 経済的苦境と政治的統制の強化を受け、市民の間では政治への関心が薄れ、「生活できるかどうか」が最大の関心事となっています。
  • 社交の場も減り、政治の変化に対しても冷淡な姿勢が広がっています。

まとめると、北京の市民生活は経済的困窮と社会統制の強化という二重苦に揺れており、将来への不安と諦めが広がっています。

北京 古い建てもの見て歩き
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概要

高井潔による写真と解説で北京の歴史的建造物を紹介するガイドブックです。天壇や雍和宮、故宮、頤和園など、市内に点在する有名な古建築を中心に、建築写真家である著者が1997年から9回にわたる取材で撮影した写真とともに、建物の歴史や特徴を簡潔に解説しています。

この本は、定評ある『地球の歩き方』ガイドブックの情報を補完するハンディなビジュアル版として位置づけられており、写真を中心とした構成で、建築や歴史に興味のある旅行者や読者に適しています