マダニは西日本に多かった「温暖湿潤な気候」「山林や野生動物の多さ」

健康

 

日本におけるマダニ感染拡大傾向

感染症の現状

  • マダニが媒介する主な感染症には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、ライム病などがあります。
  • 特にSFTSは2013年以降、日本で確認され、発生件数は年々増加しています。
  • 2025年上半期のSFTS患者数は前年同時期を上回り、全国24府県で91人と過去最多のペースで報告されています。

増加傾向・東進

  • もともと西日本(九州、中国、四国)が中心だった発生地域は、愛知県、静岡県、富山県、神奈川県など東日本にも徐々に拡大しています。
  • マダニ感染症の発生は春から秋に多く、野外活動や農作業、ペットを介した感染も増加中です。

感染拡大の要因

  1. 生息域・活動域の拡大:
    気候変動(温暖化)によりマダニの分布域が拡大し、活動期間も長期化しています。
  2. 動物由来感染:
    感染した犬や猫からの感染事例も散見され、ペットを通じて新たな地域に拡大するリスクがあります。
  3. 野生動物の増加:
    シカやイノシシなどの野生動物が増加し、それらから吸血するマダニも増えることでヒトへの感染リスクが上昇しています。

地域別拡大状況

  • SFTSウイルスを保有するマダニは、東北や北海道、北陸、関東でも確認されており、すでに全国的な存在が示唆されています。
  • 発生届出のある自治体は増加傾向で、これまで患者報告がなかった地域でもウイルス保有マダニの検出が相次いでいます。

注意点・今後の課題

  • マダニ類が媒介するダニ感染症はいずれも高齢者への重症化リスクが高いため、十分な感染予防策が求められます。
  • 今後も発生件数や地域の拡大が懸念されており、広域での監視と対策が重要です。

まとめ

  • 日本ではマダニ媒介感染症の発生件数・地域ともに確実に拡大しており、特にSFTSや日本紅斑熱は西日本から関東・北陸・東北まで広がる傾向にあります。気候変動や野生動物・ペットとの関係も重なり、今後も注意深い対策と継続的なモニタリングが必要です。

 

 

なぜマダニは西日本で多かったのか

気候と環境条件

  1. 温暖湿潤な気候
    マダニは温暖で湿度が高い環境を好みます。西日本は四季を通じて比較的温暖で多湿なため、マダニの生息や繁殖に適した地域です。
  2. 山林や野生動物の多さ
    西日本にはイノシシやシカなどの野生動物が多く生息し、これらがマダニの主な宿主となります。山林が多いことも、マダニの密度を高める要因です。

感染症の初発・拡大経路

  1. SFTSや日本紅斑熱の初発地
    SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2013年に山口県で初めて国内症例が確認されて以来、九州・四国・中国地方など西日本で先行的に発生が多く見られました。
  2. 生活・農業環境
    農業や林業、庭仕事など屋外活動が盛んな地域性も、マダニに咬まれる機会を増やす要因となっています。

近年の傾向

  • 生息域の拡大
    かつては西日本が中心でしたが、近年は気候変動や環境変化とともに、マダニの生息域が本州中部~東日本にも広がっています。

まとめ

  • 西日本でマダニやマダニ媒介感染症が多かった主な理由は、温暖湿潤な気候、野生動物と山林の多い自然環境、そしてこうした環境を活用する農林業の盛んさにあります。これらの要因が重なり、マダニの活動が活発になる地域性が形成されてきました。

 

 

マダニ媒介感染症、神奈川の60代女性が発症 関東で初感染

神奈川で初確認―マダニ媒介SFTS感染症の概要

  • 2025年7月、神奈川県松田町在住の60代女性が、マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症したことが報告されました。これは関東地方での初のSFTS感染確認例となります。

発症と経緯

  1. 患者の状態
    60代女性は2025年6月28日に発熱や下痢などの症状が現れ、7月2日に医療機関を受診・入院。県衛生研究所での遺伝子検査でSFTS陽性が判明しました。
  2. 感染経路
    調査の結果、女性は県外への外出歴や他感染者との接触がなく、自宅周辺での畑仕事や草むしり時にマダニに咬まれたことで感染したと推定されています。
  3. 治療経過
    女性は入院後、無事に退院し、快方に向かっています。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは

  1. 感染経路
    主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。活動期は春から秋にかけてです。
  2. 症状
    発熱、消化器症状(下痢、嘔吐)、血小板減少など。重症化した場合、死亡率は1割〜3割とされています。
  3. 国内での状況
    2013年に国内初感染例(山口県)が報告されて以来、西日本から東に徐々に感染地域が広がり、2025年春時点で静岡県が東端でしたが、今回の神奈川県での発症で感染地域が関東地方にも広がりました。
  4. 死亡者数
    2025年4月末時点で、国内累計117人がSFTSで亡くなっています。

予防と対策

  • 肌の露出を避ける長袖・長ズボンや手袋・長靴などを着用し、野山や草むらへ入る際は十分注意する
  • 草地作業や屋外活動後は、すぐに身体にマダニがついていないか確認
  • マダニに咬まれた場合は、無理に引き剥がさず、速やかに医療機関を受診する
  • マダニ対策スプレーなどの利用も有効です

関係機関からの注意喚起

  • 神奈川県は、特に春から秋に野外活動をする際のマダニ対策を強く呼び掛けています。

関連情報

  • SFTSウイルスを媒介するマダニは、血を吸う前は約3mm、吸血後は1cm程度まで大きくなり、肉眼でも認識できます。
  • ペットなど動物を介しての感染報告もあるため、動物の健康管理にも注意が必要です。

まとめ

  • SFTSは西日本中心に流行していましたが、神奈川県での初感染が確認されたことで、今後は関東地方の住民も十分な注意と予防が求められています。

 

 

敗者のゲーム
B09P4Q56W9

  • 資産運用の世界的ベストセラーであり、「市場と投資の本質」を解き明かす名著です。原著第8版では、最新の市場データや現代の投資環境に即した内容に大幅リニューアルがなされています。特にインデックス・ファンド投資の重要性、手数料やコストのコントロール、投資家心理などが重点的に語られ、個人投資家にとって実践的なアドバイスを多く含みます。

本書の主なポイント

  1. 敗者のゲーム(The Loser’s Game)
    投資の世界はテニスに似ており、「ミスをしないこと」が重要だと説きます。プロが勝ちを狙うゲームに対し、アマチュアは「負けない戦い方」が鍵となるよう、投資でも大きな失敗を防ぐことが大切です。
  2. インデックス投資の推奨
    インデックスファンドへの長期投資が最良の方法であり、低コストかつ分散投資が可能。市場を出し抜くよりも、市場全体に連動することでリターンの安定性を追求します。
  3. コスト管理の重要性
    投資の成果において運用コストや手数料が大きな影響を与えるため、徹底してコストを管理すべきだと説いています。
  4. 市場の効率性
    市場の効率性(効率的市場仮説)を前提に、個別銘柄の選別や相場のタイミングを計ることの難しさを論じています。
  5. 投資家心理への洞察
    感情に揺さぶられやすい個人投資家に向けて、「計画の徹底遂行」や「冷静な判断力」を強調しています。

I 資産運用でまず押さえるべきこと

  • 第1章 運用は「敗者のゲーム」になった
  • 第2章 運用機関の本当の役割
  • 第3章 厳粛なる現実
  • 第4章 それでも市場に勝ちたいなら
  • 第5章 資産配分とリスク
  • 第6章 長期計画の重要性

II 運用を少し理論的に見てみよう

  • 第7章 リスクと行動経済学
  • 第8章 運用につきまとう矛盾
  • 第9章 「時間」が教える投資の魅力

III 人生設計と投資

  • 第10章 私たちが投資する際の課題
  • 第11章 投資信託、どう選ぶ?
  • 第12章 手数料は高い!
  • 第13章 生涯を通じた投資プランを立てよう
  • 第14章 またもや大暴落
  • 第15章 401(k)に加入する際のアドバイス
  • 第16章 人生の終盤で成功するために
  • 第17章 資産家のためのアドバイス
  • 第18章 敗者のゲームに勝つために
  • 第19章 最後にひとこと

推奨される読者

  • 投資初心者からベテランまで、
  • 長期・分散投資に興味がある方、
  • 「資産運用の王道」を学びたい全ての個人投資家。

総括

  • 本書は、どのような投資環境下でも「マーケットで勝つこと」ではなく、「負けない投資戦略(リスクとコスト管理、長期計画の堅持など)」がいかに重要かを説いており、幅広い投資家に支持されています。データのアップデートや新章追加もあり、時代の変化を反映した一冊となっています。

 

 

 

コメント