しかし日本では特にその構造が深刻かつ非効率な形で定着しているため、社会問題化
中抜きは日本だけ?
「中抜き」(中間業者が介在し、本来支払われるべき報酬やコストからマージンを取る構造)は日本特有の現象ではありません。海外でも産業の階層構造や中間業者の存在は一般的で、役割分担に応じて適切に機能している場合もあります。
ただし、日本では特に「重層的な下請け構造」や「多重下請け」「丸投げ」といった形で中抜きが蔓延しやすく、その結果として生産性の低下や賃金の抑制、非効率化が深刻な社会問題になっています。また、日本のIT業界や建設業、運送業などで「中抜き」が特に目立つことが指摘されています。
海外にも中間業者や下請け構造は存在しますが、日本ほど多重で非効率な構造が常態化している国は少ないとされています。特にIT業界の「SES」や派遣業のように、何重にも中間業者が入ることで労働者への報酬が大きく削られる構造は、海外の先進国ではあまり見られません。
まとめると、
- 中抜き自体は日本だけのものではない
- しかし日本では特にその構造が深刻かつ非効率な形で定着しているため、社会問題化している
概要
- 50代を迎える人々がこれからの人生をより豊かに、賢く生きるために「教養」をどう身につけるかを解説した新書です。著者自身が54歳でNHKを早期退職し、人生の転機を迎えた経験から、「教養こそが最強の武器になる」と確信し、その理由や具体的な学び方を語っています。
主なポイントは以下の通りです。
- 教養はすぐに役立つものではないが、人生を支える最強の武器になる
若い頃には気づかなかった「生きるとは何か」「人生とは何か」といった問いに、年齢を重ねたからこそ真剣に向き合うことができると述べています。 - 50代は「ミッドライフ・クライシス」に直面しやすい時期
心身の衰えや将来への不安、キャリアの転機など、人生の折り返し地点で悩みが増える中、「教養」を身につけることが新たな生きがいややりがいにつながると説きます。
教養の身につけ方・実践方法
- 知識の点在と「知っている」は別物
- まずは書店で棚を眺めてみる
- エピソードから入り、学びを「自分ごと」にする
- 古典や宗教、哲学を学ぶことで人間を知る
- 「自分のために学ぶ」ことの大切さ
など、具体的なヒントや実践法も紹介されています。
目次例
- 教養をあきらめない
- 教養格差が社会問題を引き起こす
- 生きるための教養
- 宗教・古典こそ教養の源
- 人生の転機は教養と学びで乗り越える
- 「自分のために学ぶ」ことがなぜ大切なのか
- 「遅すぎる」ことはない
教養は手軽に身につくものではありませんが、何歳からでも始められると池上氏は強調しています。「この本を手に取った時点ですでに『始まって』いる」とも述べられています。 - 著者の体験に基づく説得力
池上氏自身が「専門分野がない」と言われたことをきっかけに、幅広い知識と教養を武器にセカンドキャリアを切り開いた実体験が語られており、読者自身の人生にも応用できる内容です。
この本は、50代からの人生設計や自己成長に悩む人、これまでの経験や知識を「教養」として昇華させたい人にとって、多くのヒントを与えてくれる一冊です。
ミッドライフ・クライシス(Midlife crisis、中年の危機)
- 主に40代から50代の中年期に多くの人が経験する心理的・感情的な危機を指します。この時期、人は自分の人生やキャリア、家族関係、健康状態などについて深く考え、不安や疑問、葛藤を抱きやすくなります。
主な特徴
- 人生の折り返し地点を意識し始める
- 自己評価の低下や将来への不安
- 過去の選択への後悔
- 「自分は何者なのか」というアイデンティティの再確認
- 心身の衰えや社会的役割の変化への戸惑い
原因
- 年齢的な変化(体力や健康の衰え、老いの実感)
- 子育てや家庭、キャリアの節目
- 親しい人の死や病気
- 役割や目標の喪失感
男女での違い
- 女性は更年期や子育ての終わり、夫婦関係の変化などがきっかけとなりやすい
- 男性は仕事でのポジション変化や定年、キャリアへの疑問などが要因となることが多い
乗り越え方
- これまでの人生を振り返り、現実を受け止める
- 「これからどう生きたいか」を考え、目標を再設定する
- 周囲の評価よりも自分自身の価値観を大切にする
- 必要に応じて専門家に相談する
この現象は「大人が迎える第二の思春期」とも呼ばれ、多くの人が通過する人生の一段階とされています。